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第2弾!早稲田大学政治経済学部独自入試サンプル問題②!大問2和訳・全訳掲載!

 

第2弾!早稲田大学政治経済学部独自入試サンプル問題②!分析&解答

 

今回も、2020年7月31日に公開された

学部独自入試のサンプル問題②を分析していきます。

 

今回は大問2の英文を訳してみました!

 

多くの国際機関、特に国際連合はその開発プログラム(UNDP)を通じて開発途上国に人道支援を提供している。支援を分配するための政策を決定することは、哲学的にも実用的で側面で多くの難問を伴う。開発途上国に援助を提供する目的は何であろうか?支援を提供する機関は、政策が成功したか失敗したかをどのように評価すべきだろうか?リソースが限られていることを考慮すると、ある国がそうではない一方で他の国が大量の支援を受ける優先順位を正当化するものは何であろうか?特定の途上国に支援が提供されるべきではないという正当な理由はあるだろうか?

 

かつて、国の開発に関する様々なレベルを測定するための基準は、国民総生産(GNP)や国民総所得(GNI)などの経済統計であった。これらの指標は各国がいかに豊かであるか、または貧しいかを反映しているため、識者は一方の国の発展と他国の発展を単純な方法で比較することが可能であった。

 

しかし近年になって、これらの典型的な経済指標は人道支援に関する決定を行うにあたって国際機関がするべき人間生活の多くの重要な側面を捉えることができなということが、広く認識されるようになってきたのである。従来の指標に代わる見方では、純粋に経済産出に焦点を当てるのではなく、たとえば、平均寿命、乳児死亡率、教育機会、政治的自由、男女共同参画などといったものに注意が払われる。この見方は、潜在能力アプローチと呼ばれる理論的な枠組みと密接に関連している。潜在能力アプローチは、最初は福祉経済学で、最近では政治理論でその地位を確立している。アマルティア・センとマーサ・ヌスバウムは、その理論の精緻化と洗練に貢献した主要な二人の人物としてみなされている。

 

潜在能力アプローチの中心には、相互に関連する規範的な主張が二つある。一つ目は道徳的なものである。そこでは幸福を達成するための個人の自由が最も重要である。二つ目の主張は、その自由は、一般的には何かしらを行う機会である「能力」の観点から理解されなければならない。また、自由は各個人が価値を持つ理由でなければならない。たとえば、栄養を与えられる機会、教育を受ける機会、移動する機会、社会的関係を享受する機会がそこには含まれる。センやヌスバウムのような潜在能力アプローチの支持者によると、GNPやGNIのスコアが高いことは必ずしも、ケーパビリティに恵まれていることを意味しない。南アフリカが好例である。南アフリカは多くの経済指標で発展途上国の中でトップにランクされているが、アパルトヘイトの下で、人口の大部分は最も基本的な権利さえ、また、まともな医療や高度な教育を受ける機会、概して良い生活の質を追求する機会も長い間奪われていたのである。

 

従来の経済的な数値の代わるものとして、潜在能力アプローチは、UNDPが援助政策の管理に現在使用している、多次元的な測定、いわゆる人間開発指数(HDI)の構築に役立ってきた。 具体的には、HDIは人間の福祉の3つの要素に焦点を当てている。長く健康的な生活を享受すること、知識を得ること可能なこと、そして適切な生活水準を持つことである。これら3つの要素は、就学時の平均寿命と1人あたりのGNIでそれぞれ測定される。特定の計算手順を通じてこれらの測定値を組み合わせて集計することにより、HDIは識者が国の開発レベルを0(最低)から1(最高)にランク付けすることを可能にする。たとえば、2019年のHDIレポートでは、ノルウェーが最も世界で最も「先進した」国で、0,954のスコアを達成し、ついでスイスが0,946のスコアを達成した。記録された中で、最も低いスコアは約0,380であった。

 

潜在能力アプローチが、我々の開発に対する考え方に大きな変化をもたらしたことは疑いようがない。結果的に、そのことは国際機関が人道支援に関する政策の計画と実施において、どのような優先事項を決定するかに影響を与えている。開発を構成するものに関しては、単なる物質的な援助の利点を議論することは難しくなっている。例えば、高速道路や橋の建設は工業生産と国内消費の即時拡大をもたらすかもしれない。しかし、援助を提供する組織は、そのようなプロジェクトを支持しない可能性がある。なぜならば、それらは新しい学校や病院の設立と同程度にはケーパビリティの向上につながる開発に貢献しないと考えられているからである。

 

さらに、物理的な利益が純粋に伴う援助プロジェクトは、それらの利益が少数の手に集中する傾向があるという点でしばしば議論の余地があるが、その一方で人口の大多数は利益を享受できないかもしれない。この懸念によって、広大な政治的意義に関する疑問が生まれるだろう。援助金の給付の配分が効果的かつ公正になるように国連などの援助を提供する組織が介入するべきなのであろうか?という疑問である。特定の被援助国の支配階級のエリートが集団の利益のためではなく個人的な利益のために援助資源を使用している、そのように信じる理由が国連にはあると仮定してみよう。そのような状況では、潜在能力アプローチに好意的な人は、国連はその国からの援助を撤回する選択肢を検討するべきだと主張するかもしれない。

 

開発と国際援助の問題だけでなく、潜在能力アプローチは私たちが平等について考える方法にも影響を与えた。潜在能力アプローチによれば、人生を楽しむために必要なリソースの量は人によって異なる。例えば、足が不自由な人は、健常者よりも多くのリソースを必要とする。具体的には、車椅子を日常的に使用する必要があり、また、オフィスビルや公園、輸送機関などにアクセスするため、スロープやエレベーターをすぐに利用できる環境が必要としている。障がい者と健常者の間で平等にリソースを共有することは障がい者と健常者の間で楽しい生活の機会の平等を保証しない、ということが容易に明らかになる。潜在能力アプローチの支持者は、本当の意味の平等を促進することにおいて、政府が積極的な役割を果たすべきだと主張している。

 

人間の生活の質を評価するための基準には、人々自身が感じるもの、この場合には、彼らが幸せであるかどうか、そして彼らがどれほど満足しているかの測定が含まれるべきだと思うかもしれない。しかし、潜在能力アプローチは、人々の幸福を評価することにおいて幸福感や満足感といった心理学的な側面が重要であるという主張と対立するものである。生活様式は常に個人の選択によって構成されているわけではなく、多くの場合、他者の期待によって決定される。たとえば、子供は両親の期待に沿って自分の願望を組み立てていくことが知られている。女性は一生懸命勉強することも家庭から出て働くことも奨励されない文化もある。過去には、奴隷として扱われることに慣れているという理由だけで、奴隷が生活条件に満足していると表明したことも、よく記録されていたのだ。これらは、しばしば「アダプティブプリファレンス(適応的な好み・適応的選好)」と呼ばれるものの例である。もし個人が特定の環境で期待される内容に応じて自分の欲望を満たすことを求める場合、「満足していますか」や「満足度はどのくらいですか」などの質問をする調査は、彼らの生活の質についての有益な情報を生み出さないだろう。このことは、潜在能力アプローチがなぜ平均余命や就学年数といった人間生活の非物質的な特徴に焦点を当てているのかを説明する。

 

国際組織が人道支援政策についての何かしらの結論を下そうとしているときには、適応的選好を議論することは争いの原因になるかもしれない。いわゆる文化相対主義者は社会生活や価値観は歴史や伝統を反映しており文化は社会によって異なると強調している。文化相対主義者にとって、そのような多様性を認めることは原則事項だ。(問7 文化相対主義者の主張 80字以内で要約)したがって、文化相対主義者は国際機関の援助政策に大きな影響を与えている潜在能力アプローチに批判的なのである。彼らはこのアプローチを、教育、政治的自由、男女平等の重要性など、特定の西洋の価値観を非西欧の開発途上国に課していると見なしているのである。

 

潜在能力アプローチの支持者は、それぞれが独自の文化を持っていることを否定しない。しかし、彼らは文化的多様性を守ることが最も道徳的に重要であるという主張を受け入れることもない。潜在能力アプローチによると、アマルティア・センが彼の著書「人権理論の要素」で指摘しているように、市民権や地域の法律にかかわらず、世界中のすべての人が人権を持っている。このような見解によって文化相対主義者とは対照的に、潜在能力アプローチの支持者は、人権に違反する場合には、長年定立している価値観を変えようとする試みは可能であり、そうすべきであると主張する。さらに、潜在能力アプローチの支持者は、権利が社会またはその他の形態の集団に属するという主張をはっきりとに拒絶する。彼らは個人を権利の所有者と見なし、すべての個人が自分の潜在可能性を開発するために、自分に基づいた真に自由な選択を行使すべきと固く信じている。

 

では、国際機関の役割を正当化するものは何であろうか。特に、なぜこれらの組織は、世界の人権の向上のために援助政策を使用することが正当化されているのであろうか。センは、人権の考え方には、他者の権利を守るために我々が合理的にできることは何かを考える必要性が含まれるべきだと示唆するときに、この点(国際機関が世界の人権の向上のために援助政策を使用することが正当化されている理由)を明確にする。国際機関は人権を擁護できる効果的な手段を確立する必要がある。このことは、なぜ潜在能力アプローチの支持者が国際機関に発展途上国の生活様式と価値観の問題を真剣に受け止めるよう要求するのかの説明になる。

 

 

2020年度3月31日に公開された

学部独自サンプル問題①の分析や解答はこちらから

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