総合型選抜(AO入試)・学校推薦型選抜に向いていない人

私立大学の入学者数厳格化に伴う一般入試の難化に加え、いよいよ大学入学共通テストが始まるものの、その出題に関する先行きが不透明な部分もあることから、一般入試よりも先に合格が決まる総合型選抜・学校推薦型選抜への人気が、2021年度入試は一段と高まることが予想されます。それゆえ、多くの人が総合型選抜・学校推薦型選抜にチャレンジしてみようかな、と思うかもしれません。しかし、総合型選抜・学校推薦型選抜には実は向き不向きがあります。そこで、今回は総合型選抜・学校推薦型選抜に向いていない人について述べてみたいと思います(笑)。これからの受験にあたって、参考にしてみてください。
総合型選抜・学校推薦型選抜に向いていない人
以下のような人は、総合型選抜・学校推薦型選抜には向いていません。
①自分の考えや思いを正確に言語化することができない人
総合型選抜・学校推薦型選抜では、小論文に加え、志望理由書などの出願書類を作成する必要があります。自分の考えや思いを正確にかつ丁寧に言語化することが苦手な人や、そもそも自分なりの考えを持っていない人は、試験の性質から総合型選抜・学校推薦型選抜には向いていないと思います。とはいえ、現状では正確な言語化が苦手な人も少しずつ訓練していけば、自分の考えをまとめたり、正しく言語化することができるようになります。したがって、高校1,2年生から小論文の訓練をしたり、自分の将来や目標について言語化していく機会をもちましょう。
②自分の将来の夢や目標について明確なヴィジョンを持っていない人
弊塾のご面談でもたまにあることなのですが、自分が将来何をしたいのかよくわかっていない人がいます。自分の将来の夢や目標が明確に定まらないままに、総合型選抜・学校推薦型選抜を受けたいと言われても、正直無理です。なぜなら、総合型選抜・学校推薦型選抜では、受験生が描く将来の明確なビジョンとともに、そのビジョンを実現するために大学で何をする必要があるのかを、説明しなくてはならないからです。また、特定の職業になりたいとタダ言うだけではダメです。そんなことは、幼稚園児でも言えます。大事なことは、「なってどうするか、どうしたいのか」です。かつて、こんな面談がありました。
佐藤(以下、サ):「将来は何になりたい?」
受験生:「警察官です。」
サ:「どうして警察官になりたいの?」
受験生:「公務員だし、安定しているからです。」
サ:「ふーん。それじゃあ、警察官になって何がしたいの?」
受験生:「うーん…」
ごめん、総合型選抜・学校推薦型選抜に全然向いてない(笑)。警察官になるという目標を否定しているわけではありません。しかし、たとえば「警察官になって、今後増加するであろう外国人への対応を改善したり、過疎化が進む地域で生じる新たな治安の問題に取り組みたい」とか「安倍政権における選挙時に路上で政権批判を行った人への警察の対応を見て、警察機構のあり方を考え、あるべき警察の役割を果たしたい」といった志を持っているかどうかが大事なのです。「公務員で安定しているから、警察官になりたい」というのであれば、大学側も専門学校に行ってくださいと言わざるを得ません。また、高3の夏休みから突然、自分探しをされても困ります。自分の将来の夢や目標は、高校1,2年生から少しずつかつ具体的に考えていくようにしましょう。
③何かに対する強烈な興味や関心がない人
将来何になるにしても、大学で学ぶには大まかにでも自分なりのテーマが必要です。自分が何に興味や関心があり、何をしたいのかが把握できていないと、大学で何を学びたいのかという点を志望理由書や面接などで説明することができません。自分が強烈に興味や関心を掻き立てられるテーマや事柄がない人は、総合型選抜・学校推薦型選抜に向いていないといえます。アイドルでもアニメでも、食べ物でもなんでもあなたが大好きなこと、気になって仕方がないこと、あるいは怒りや不満を感じていることから、興味や関心の幅を広げ、対象への思いを深めていくことが大切です。
④a:将来の就職なども考えてとりあえず大学に行こうと思っている人 / b:学部学科は問わず、ともかく偏差値が上位の大学に入ることができれば満足だという人
aの人は、先の③の人とも共通するかもしれません。まだ、将来やりたいことや将来どうしたいかが見つかっていない人は、悪い意味ではなく入試制度として総合型選抜・学校推薦型選抜には向いていません。とりあえず、大学に行こうという人は一般入試に向けてしっかり勉強をして、入学後、自分の道を模索していくとよいと思います。
bの人も一定数いると思います。総合型選抜・学校推薦型選抜において、「貴学は難関大学であり、偏差値の高い大学に合格することが自分の目標だ」と書いたり、述べたりしたら、合格しないでしょうね。そもそもの総合型選抜・学校推薦型選抜の趣旨と合っていないからです。
⑤法曹・教員などの資格試験に合格することのみを目的としている人
これも②の人と重なると思います。司法試験や教員採用試験に合格し、弁護士や裁判官になること、教員になることを志している人もいると思います。しかし、②と同様に、合格は手段であって、そこから社会のために何をしたいのかという志を明確に持たず、示すことができない人は、総合型選抜・学校推薦型選抜には向いていないと言えます。資格試験の合格は手段でしかありません。そうした資格を持って職に就いたときに、何をしたいのか、これを示すことが総合型選抜・学校推薦型選抜では大事なのです。
総合型選抜・学校推薦型選抜に向いている人
上記の反対を考えればわかるように、総合型選抜・学校推薦型選抜に向いている人は、以下のような人でしょう。
①自分の考えや思いを明確に他者に伝えることができる人
②自分の将来の夢や目標を明確に持っている人
③何かに対する強烈な興味や関心を持っている人
④大学が研究機関であることを理解し、新たな知の創発のために学びや研究を深めたいと考えている人
⑤何らかの資格を取ったうえで、それを手段として問題解決や新たな仕事を生み出したいと考えている人
自分の将来や目標は、すぐに明らかになるものではないと思いますし、高校生ならば大いに悩んでしかるべき事柄です。だからこそ、高校1,2年生から自分の将来や目標について折を見て考えていく必要があるわけです。また、自分が将来何をしたいかは、多様な方向にアンテナを張っていなければ、なかなか見つかるものではありません。自分が苦手だなと思うことでも取り組んでみたり、今までやったことがないことにもチャレンジしてみることで、新しい発見を得られたり、可能性を見出すことができ、将来の方向性が見つかることもあります。有意義な高校3年間を過ごし、将来への一歩を歩みだすためにも、自分の将来について真剣に考えてみる場として潜龍舎を活用しましょう!
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