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北浦和駅の塾 | 小学生 中学生 高校受験 雄飛会 | 高校生 大学受験 文武修身塾×潜龍舎 > 【総合型選抜・学校推薦型選抜】潜龍舎ブログ【小論文】@オンライン > 総合型選抜・学校推薦型選抜の「活動実績」とは?評価される活動・作り方・具体例を解説

総合型選抜・学校推薦型選抜の「活動実績」とは?評価される活動・作り方・具体例を解説

総合型選抜・学校推薦型選抜を考えている高校生や保護者の方から、

「どんな活動実績があれば合格できますか?」

「ボランティアをした方が有利ですか?」

「部活動しかやっていないのですが、大丈夫でしょうか?」

「全国大会やコンクールの受賞歴のような、目立った実績がありません」

「高校3年生になってからでも活動実績を作れますか?」

といった質問をよくいただきます。

総合型選抜では、志望理由書や自己推薦書、活動報告書などに、高校時代に取り組んできた活動や実績を書くことがあります。そのため、「何かすごい実績がなければ合格できないのではないか」と不安になる人も少なくありません。

しかし、全国大会出場、生徒会長、海外留学、ボランティア、英検など、特定の活動・資格・実績があれば、それだけで総合型選抜に合格できるわけではありません。

反対に、目立った受賞歴や華々しい経歴がないからといって、それだけで総合型選抜をあきらめる必要があるわけでもありません。

大切なのは、単に「何をやったか」ではなく、

なぜ、その活動に取り組んだのか。

その活動を通して、何を経験し、何を考えたのか。

その経験が、自分の問題意識や将来の「志」とどのようにつながっているのか。

ということです。

潜龍舎では、活動実績を、受験で評価してもらうために後から付け加える「実績」だとは考えていません。

自分の経験や興味・関心から問題意識が生まれ、「将来こんなことを実現したい」という志を持つ。その志に基づいて、「では、高校生である今の自分に何ができるだろうか」と考え、実際に行動する。

その行動の積み重ねが、結果として「活動実績」になっていくと考えています。

一方で、「活動の内容や実績は何でもよい」というわけでもありません。 大学・学部・選抜方式によっては、特定の活動経験や資格、コンクール・大会等での成果などを明確に評価対象としている場合があります。そのため、自分の志だけでなく、志望大学がどのような学生を求め、どのような活動・経験・成果を評価しているのかを確認することも必要です。

このページでは、総合型選抜・学校推薦型選抜における「活動実績」とは何なのかをはじめ、ボランティアや部活動、探究活動、資格などはどのように評価されるのか、目立った実績がない場合はどうすればよいのか、高校3年生からでも活動実績を積み上げられるのか、といった疑問について詳しく解説します。

 

総合型選抜・学校推薦型選抜の「活動実績」とは?

総合型選抜・学校推薦型選抜における「活動実績」と聞くと、

「全国大会に出場した」

「コンクールで入賞した」

「生徒会長を務めた」

「海外留学を経験した」

「ボランティア活動を続けた」

といった、目立った経歴や成果を思い浮かべる人も多いかもしれません。

もちろん、こうした経験や成果が活動実績として評価されることはあります。しかし、総合型選抜における活動実績とは、必ずしも大会での受賞歴や特別な肩書だけを意味するものではありません。

大学・学部によって、評価する活動の種類や求める成果は異なります。部活動、生徒会、ボランティア、探究活動、研究活動、留学、国際交流、資格・検定、コンテストへの参加などが評価対象になる場合もあれば、自分で行った調査、フィールドワーク、インタビュー、イベントの企画・運営などが重要な活動実績になる場合もあります。

では、なぜ総合型選抜・学校推薦型選抜では「活動実績」が重視されるのでしょうか。

活動実績=大会やコンクールの受賞歴だけではない

総合型選抜・学校推薦型選抜では、一般選抜のように学力試験の点数だけで合否を決めるのではなく、これまでの経験や活動、志望理由、将来の目標などを含めて、受験生を多面的に評価します。

そのため大学が知りたいのは、単純な「実績の大きさ」だけではありません。

あなたは何に興味を持ってきたのか。

どのような問題意識を持ったのか。

その問題について、高校時代に何をしてきたのか。

その経験から何を学び、将来何をしたいと考えるようになったのか。

こうした一連の過程を知るための重要な材料の一つが「活動実績」です。

たとえば、「地域の高齢者が孤立する問題を解決したい」と考えている高校生がいたとします。

その生徒が実際に地域の高齢者に話を聞いたり、高齢者を対象としたイベントを企画したり、地域福祉について調査したりしていれば、その行動は本人の問題意識と結びついた活動実績になります。

あるいは、将来、労働問題に取り組む弁護士になりたいのであれば、労働問題について調査する、裁判を傍聴する、弁護士にインタビューする、といった行動も考えられます。

実際に潜龍舎の合格者にも、自分の将来の志に基づいて、こうした調査やインタビュー、企画などを高校時代に行ってきた生徒たちがいます。

重要なのは、

「総合型選抜を受けるから何か活動をしなければならない」

という発想ではなく、

「自分は将来こういうことをしたい。そのために、高校生である今の自分には何ができるだろうか」

と考えることです。

その問いから生まれた行動が積み重なることで、結果として「活動実績」になっていきます。

大学は活動実績から何を見ているのか

たとえば、志望理由書に、

「私は子どもの貧困問題に関心があります」

「地域活性化に貢献したいです」

「環境問題を解決したいです」

と書くこと自体は、それほど難しくありません。

しかし、大学教員の立場から考えれば、そこで当然、次のような疑問が生まれます。

「それほど強い問題意識を持っているのであれば、あなたは高校時代にその問題について何をしてきたのですか?」

本を読んだのか。

資料や統計を調べたのか。

実際に現場へ行ったのか。

当事者や専門家に話を聞いたのか。

自分で何かを企画したのか。

そして、その経験からさらに何を考え、次にどのような行動をしたのか。

活動実績を見ることで、志望理由書に書かれた興味・関心や問題意識が、単なる「言葉」で終わっていないかを確かめることができます。

潜龍舎では、総合型選抜において大学側が知りたい受験生の姿を、おおよそ次のような流れで捉えています。

経験・興味関心

問題意識

高校時代の行動=活動実績

将来の「志」

大学で学び・研究する必要性

活動実績だけが単独で存在するのではありません。

「なぜその活動をしたのか」「その経験が自分の志とどうつながっているのか」「だから大学で何を学び、研究する必要があるのか」までが一本につながっていることが重要です。

活動実績を志望理由書・自己推薦書の中でどのように位置づけ、大学で学びたいことや将来の志へつなげていくかについては、「総合型選抜の志望理由書・自己推薦書の書き方・対策」で詳しく解説しています。

 

活動実績は「志」を行動で示すもの

潜龍舎では、活動実績を、総合型選抜で合格するために後から付け加える「飾り」だとは考えていません。

むしろ活動実績とは、自分の興味・関心や問題意識、そして将来の「志」を、実際の行動によって示していくものだと考えています。

だからこそ、

「総合型選抜では、どのボランティアをすれば有利ですか?」

「生徒会長になった方がいいですか?」

「何の資格を取れば評価されますか?」

という問いから始めるのではありません。

まず考えるべきなのは、

「自分は何に興味を持っているのか」

「社会のどのような問題に関心があるのか」

「将来、自分は何を成し遂げたいのか」

ということです。

そして、

「そのために、高校生である今の自分には何ができるのか」

を考え、行動に移していきます。

また、「志」が完全に固まってからでなければ行動できないわけでもありません。

興味を持ったことについて本を読む。調べる。現場へ行く。人に会う。話を聞く。自分で何かをやってみる。

そうした行動によって新しいことを知り、考えが変わり、問題意識が深まり、自分が将来何をしたいのかが次第に明確になっていくこともあります。

つまり、

志があるから行動する。
そして、行動するから志が育つ。

この両方があります。

だからこそ、活動実績は受験直前になって「何かそれらしい活動を一つ追加すればよい」というものではありません。

自分の興味・関心や問題意識から出発し、調べ、考え、行動し、その経験からさらに考え、次の行動へ進む。

その積み重ねこそが、総合型選抜・学校推薦型選抜における本当の意味での「活動実績」なのです。

 

総合型選抜ではどんな活動実績が評価される?

では、総合型選抜・学校推薦型選抜では、具体的にどのような活動実績が評価されるのでしょうか。

結論から言えば、「この活動をすれば必ず評価される」というものはありません。

総合型選抜で評価される活動は、大学・学部・学科、さらには選抜方式によって異なるからです。

また、同じ「ボランティア活動」や「部活動」であっても、その活動を行った理由や取り組み方、そこで得た経験、志望する大学・学部との関係などによって、その意味は変わります。

したがって、

「総合型選抜では何をやれば有利ですか?」

と考えるよりも、

「自分は何に関心があり、将来何をしたいのか。そのために高校生の今、どのような行動をするべきなのか」

と考えることが重要です。

そのことを前提として、総合型選抜・学校推薦型選抜で活動実績として扱われる可能性のある代表的なものを見ていきましょう。

部活動

運動部・文化部などの部活動は、活動実績の一つになる場合があります。

特に、大会・コンクール・展覧会などで成果を残している場合には、その実績を明確な評価対象としている大学もあります。

しかし、

「高校3年間、部活動を続けました」

という事実だけで、どの大学でも高く評価されるわけではありません。

部活動について考える場合にも、

「なぜその活動に取り組んだのか」

「どのような目標を持って取り組んだのか」

「活動の中でどのような問題に直面したのか」

「自分なりに何を考え、どのように行動したのか」

「その経験から何を学んだのか」

まで掘り下げて考える必要があります。

また、将来の志や大学で研究したいテーマが部活動とは別のところにあるのであれば、高校生活を部活動だけで終わらせず、自分の関心を学校の外へ広げていくことも大切です。

生徒会・委員会活動

生徒会長や委員長などの経験も、活動実績として評価されることがあります。

ただし、ここでも重要なのは**「役職名」だけではありません。**

「生徒会長だった」

「文化祭実行委員長だった」

という肩書そのものより、

その立場で何を考え、どのような課題を発見し、周囲の人たちとどのように関わり、何を実現したのか

という中身が重要です。

実際に、大学によっては単に生徒会に所属していたことではなく、生徒会活動における「めざましい活躍」など、具体的な成果を求める場合もあります。

そのため、「総合型選抜で有利そうだから生徒会に入る」という発想ではなく、自分がその活動の中で何をしたいのかを考えることが大切です。

ボランティア・地域活動

総合型選抜というと、

「ボランティア活動をしておいた方がよい」

と考える人も少なくありません。

しかし、潜龍舎では**「活動実績=ボランティア」だとは考えていません。**

もちろん、自分の問題意識や将来の志と結びついたボランティア活動であれば、非常に意味のある経験になることがあります。

たとえば、将来、高齢者福祉に関わりたいと考えている高校生が、地域の高齢者と継続的に交流したり、高齢者を対象とした企画を立ち上げたりするのであれば、その活動には本人なりの必然性があります。

一方で、

「総合型選抜で評価されそうだから、とりあえずボランティアをする」

というのであれば、

「なぜ、そのボランティアだったのですか?」

「あなたの将来の志とどのような関係がありますか?」

と聞かれたときに、説得力のある説明ができないかもしれません。

大切なのは、ボランティアという「活動の種類」ではなく、なぜ自分がその活動をする必要があったのかです。

探究活動・研究活動

高校で行われる「総合的な探究の時間」などをきっかけとして、自分の興味・関心を深めていくこともできます。

ただし、学校の授業で探究活動を行ったというだけで、それが自動的に高く評価される活動実績になるわけではありません。

重要なのは、そこから自分自身の問題意識に基づく探究へ発展させられるかです。

たとえば、

本や論文、統計資料を調べる。

現場へ足を運ぶ。

当事者や専門家にインタビューする。

アンケート調査を行う。

フィールドワークをする。

自分で企画を立てて実践する。

調査結果をまとめて発表する。

こうした行動へ発展させていけば、学校の探究活動を出発点として、より深い活動実績へつなげることができます。

そして、その探究の中から、

「もっとこの問題について知りたい」

「この問題を大学で研究したい」

という問いが生まれてくれば、活動実績と大学での研究テーマもつながっていきます。

コンテスト・大会・コンクール

スポーツ大会、文化系のコンクール、各種コンテスト、研究発表大会などでの成果を評価する大学もあります。

特に一部の大学・学部では、

「都道府県以上の大会で優秀な成績を収めた」

「文化・芸術・スポーツなどで優れた成果を残した」

といった条件を出願資格や評価対象として具体的に示している場合があります。

このような大学では、単に「大会に参加した」というだけでなく、どの程度の成果を残したのかまで重要になります。

したがって、「活動の内容や成果は関係なく、そこから何を学んだかだけ説明できればよい」と考えるのも正確ではありません。

大学によっては、文字どおり「実績」や「成果」を求めています。

資格・検定・英検など

英検などの外国語資格をはじめ、大学・学部の求める学生像と関係する資格や検定も評価材料になる場合があります。

大学によっては、語学検定などの資格を出願資格として設定したり、活動実績の一つとして記載を求めたりしています。

ただし、資格についても、

「持っていれば、それだけで合格できる」

というものではありません。

たとえば、国際関係や外国語を専門的に学びたいのであれば、高校時代から外国語の学習に継続して取り組み、資格取得という形でその成果を示すことには意味があります。

重要なのは、資格を単なる「点数稼ぎ」として考えるのではなく、自分が大学で学びたいことや将来の志との関係の中で位置づけることです。

留学・国際交流

海外留学、国際交流プログラム、外国人との交流、国際協力に関する活動なども、大学によっては活動実績として評価されます。

しかし、ここでも、

「海外留学をした=総合型選抜で有利」

という単純な関係ではありません。

留学先で何を経験したのか。

その経験によって、それまでの自分の考え方がどう変わったのか。

どのような問題に気づいたのか。

帰国後、その問題についてさらに何か行動したのか。

こうしたことまで考えることで、留学経験は本人の問題意識や志につながる活動になります。

インタビュー・フィールドワーク・自主的な調査や企画

活動実績というと、学校や団体が用意した活動に「参加すること」ばかりを考えがちですが、必ずしもそうではありません。

自分自身の問題意識から、

専門家にインタビューする。

実際の現場を訪ねる。

アンケートや聞き取り調査をする。

イベントを企画する。

地域の課題についてフィールドワークをする。

といった、自主的な活動を行うこともできます。

たとえば、将来、労働問題に取り組む弁護士を目指すのであれば、労働問題について調査し、裁判を傍聴したり、実際に弁護士へインタビューしたりすることも考えられます。

大切なのは、誰かが用意した「総合型選抜向けの活動」に参加することではありません。

自分の問題意識から、自分なりの問いを立て、その問いについて調べ、実際に行動してみること。

こうした自主的な行動も、重要な活動実績になり得ます。

「何をやれば評価されるか」ではなく「なぜやるのか」

ここまで、さまざまな活動を紹介してきました。

しかし、ここで、

「では、ボランティアと探究活動なら、どちらの方が評価されますか?」

「部活動よりインターンの方が有利ですか?」

「留学した方が合格しやすいですか?」

と考えてしまうと、再び出発点に戻ってしまいます。

活動には、それだけで一律に「何点」と評価されるような絶対的な序列があるわけではありません。

重要なのは、

なぜ、その活動をしたのか。

その活動にどのように取り組んだのか。

そこで何を経験し、何を考えたのか。

その経験が、自分の問題意識や将来の志とどうつながっているのか。

そして、

その活動や成果が、志望する大学・学部・選抜方式でどのように評価されるのか。

ということです。

大学によっては、ボランティア、地域活動、国際交流、文化・芸術・スポーツ、資格、生徒会など、さまざまな活動を評価対象としています。また、単に活動した事実だけではなく、「優秀な成績」「めざましい活躍」など、明確な成果を求めている大学もあります。

だからこそ、総合型選抜の活動実績を考えるときには、

① 自分の興味・関心、問題意識、将来の志から考える

そして同時に、

② 志望大学の募集要項・出願資格・出願書類・アドミッション・ポリシーを確認する

という二つの視点が必要です。

「何をすれば受験で有利なのか」ではなく、「自分は何をしたいのか。そのために今何をするのか。そして、その経験をどの大学がどのように評価するのか」。

この順序で活動実績を考えることが、総合型選抜・学校推薦型選抜では重要です。

 

「すごい実績」がなければ総合型選抜には合格できない?

総合型選抜・学校推薦型選抜について相談を受けていると、

「全国大会に出場したことがありません」

「生徒会長などの特別な役職を経験していません」

「海外留学をしたこともありません」

「コンクールで入賞したような実績もありません」

「こんな普通の高校生でも総合型選抜で合格できますか?」

という質問をよくいただきます。

結論から言えば、全国大会出場、生徒会長、海外留学、コンクール入賞といった「すごい実績」がなければ、総合型選抜に合格できないわけではありません。

しかし同時に、

「総合型選抜では実績なんて関係ありません」

と言い切ることもできません。

ここを正確に理解することが大切です。

全国大会・生徒会長・海外留学が必須ではない

総合型選抜というと、いまだに、

「全国大会に出場した」

「生徒会長を務めた」

「海外留学を経験した」

「大きなボランティア団体を立ち上げた」

「ビジネスコンテストで優勝した」

といった、他の高校生にはなかなか真似のできない特別な経歴を持つ受験生が有利だと思われがちです。

確かに、そのような実績が評価材料になることはあります。

しかし、華々しい実績があることと、総合型選抜で合格できることは同じではありません。

どれほど立派な実績を持っていたとしても、

「なぜその活動に取り組んだのか」

「その経験から何を考えたのか」

「どのような問題意識を持つようになったのか」

「将来、何を実現したいのか」

「そのためになぜこの大学・学部で学ぶ必要があるのか」

を説明できなければ、活動実績と大学への志望理由がつながりません。

反対に、全国大会や大きなコンクールでの受賞歴がなくても、自分の興味・関心や問題意識から行動を起こし、その経験を通して考えを深め、大学で学びたいことや将来の志へとつなげられている高校生もいます。

総合型選抜を、

「高校時代の実績ランキングで上位の生徒から合格する入試」

だと考えないことが重要です。

大切なのは「なぜその活動をしたのか」

活動実績について考えるとき、多くの高校生はまず、

「何をしたか」

に目を向けます。

しかし、総合型選抜では、その前後にあるものまで考える必要があります。

たとえば、

Aさん:ボランティア活動を100時間行った

Bさん:地域の高齢者に聞き取り調査を行い、その結果をもとに交流企画を実施した

という二人がいたとします。

単純に活動時間だけを比較すれば、Aさんの方が「実績がある」ように見えるかもしれません。

しかしBさんが、

「祖父母との経験から高齢者の孤立に関心を持った」

「地域では実際にどのような問題が起きているのか調べた」

「地域の高齢者に話を聞いた」

「交流の機会が少ないという課題に気づいた」

「高校生として何ができるか考え、交流企画を実施した」

「活動を通して新たな課題に気づいた」

「大学では高齢者福祉や地域コミュニティについて研究したいと考えるようになった」

という過程を持っているのであれば、その活動には本人なりの必然性があります。

重要なのは、単に活動の名称や回数を並べることではありません。

「なぜ自分がそれをやったのか」を説明できることです。

活動の規模より「志→行動」のつながりを見る

潜龍舎では、活動実績を考えるとき、

「どれだけ派手なことをしたか」

よりも、

「自分の興味・関心や問題意識が、どのような行動につながったのか」

を重視しています。

たとえば、将来、労働問題に取り組みたいと考えている高校生なら、必ずしも全国規模のコンテストで受賞する必要はありません。

労働問題について本を読む。

統計や資料を調べる。

実際の労働問題について調査する。

裁判を傍聴する。

弁護士や専門家に話を聞く。

そこで新たに生まれた疑問について、さらに調べる。

こうした一つひとつの行動は、一見すると全国大会優勝のような華々しい「実績」には見えないかもしれません。

しかし、

問題意識 → 調査 → 行動 → 経験 → 新たな問題意識

という積み重ねによって、本人がその問題について本気で考えてきたことを示すことができます。

「私は○○問題に関心があります」

という言葉だけなら、誰でも書くことができます。

だからこそ、

「それほど関心があるのなら、高校時代にあなたは何をしてきたのですか?」

という問いに対して、自分自身の行動を示せることが重要なのです。

活動実績は、自分の興味・関心や「志」が単なる言葉ではないことを、行動によって裏付けるものだと考えると分かりやすいでしょう。

ただし「成果・実績」を明確に求める大学もある

ここまで読むと、

「それなら大会実績や受賞歴はまったく関係ないのですね」

と思うかもしれません。

しかし、それも正確ではありません。

大学・学部・選抜方式によっては、一定水準以上の活動実績や成果を明確に求めている場合があります。

たとえば、スポーツや文化・芸術分野における優秀な成績、各種大会・コンクールでの成果、生徒会などにおける顕著な活動、外国語資格などを、出願資格や評価対象として具体的に示している大学があります。

この場合、

「実績の大きさよりも、そこから何を学んだかが大事だから大丈夫」

とは言えません。

大学が一定の実績を出願資格として要求しているのであれば、その条件を満たさなければ、そもそも出願できないことがあります。

また、出願資格になっていなくても、同じ大学・学部を志望する受験生同士を比較したときに、活動の成果が評価材料の一つになる可能性もあります。

だからこそ、総合型選抜では、

「すごい実績がなくても大丈夫」

という情報だけを信じるのも、

「全国大会レベルの実績がなければ無理だ」

と思い込むのも、どちらも危険です。

まず確認すべきなのは、自分が受験したい大学・学部が、実際に何を求めているのかです。

募集要項、出願資格、提出書類、評価基準、アドミッション・ポリシーなどを確認し、その大学において活動実績がどのように位置づけられているのかを調べる必要があります。

「輝かしい実績」がなくても戦える。しかし、何もしなくてよいわけではない

ここは非常に重要です。

「すごい実績がなくても合格できる」ことと、「何もしていなくても大丈夫」ということは、まったく違います。

全国大会で優勝していなくてもよい。

生徒会長でなくてもよい。

海外留学をしていなくてもよい。

しかし、

「自分は何に興味を持ってきたのか」

「どんな問題について考えてきたのか」

「その問題について何を調べたのか」

「高校生として何を行動に移したのか」

「その経験から何を学んだのか」

「その結果、将来何をしたいと考えるようになったのか」

について、自分自身の経験をもとに語れることは重要です。

つまり、必要なのは必ずしも**「輝かしい実績」**ではありません。

必要なのは、

自分の「志」に基づいて、実際に行動してきた軌跡です。

そして、その行動は一度きりで終わる必要もありません。

調べてみる。

人に会ってみる。

現場へ行ってみる。

やってみる。

そこで分からないことが生まれる。

さらに調べる。

また行動する。

そうした過程を繰り返すことで、自分の問題意識が深まり、将来の志が明確になり、大学で研究したいテーマも少しずつ具体的になっていきます。

だから、総合型選抜の活動実績について考えるとき、

「自分にはすごい実績がないから無理だ」

と最初からあきらめる必要はありません。

それよりも、

「自分は何に関心があるのか」

「その問題について、これまで何をしてきたのか」

「そして、これから何ができるのか」

を考えてみてください。

総合型選抜で問われているのは、履歴書を華やかにすることではありません。

自分の問題意識や将来の志を、どのような行動によって形にしてきたのか。

そこに、その人自身の「活動実績」が表れてきます。

 

活動実績で重要なのは「数」よりも「一貫性」

総合型選抜・学校推薦型選抜の準備を始めると、

「活動実績は多い方が有利ですか?」

「ボランティアもやって、探究活動もやって、資格も取った方がいいですか?」

「活動実績を増やすために、何か新しいことを始めた方がいいでしょうか?」

と考える人もいるかもしれません。

しかし、活動実績は、単純に**「数が多ければ多いほど評価される」というものではありません。**

ボランティア、部活動、生徒会、探究活動、留学、資格取得、コンテスト、インターンシップ……。

一見するとたくさんの活動をしていて華やかに見えても、それぞれがバラバラで、

「なぜ、その活動をしたのか」

を本人が説明できなければ、単なる「活動歴の羅列」になってしまいます。

反対に、活動の数自体はそれほど多くなくても、一つの問題について継続して調べ、考え、行動し、その経験からさらに次の行動へ発展させているのであれば、その人が何に関心を持ち、何を考えて高校生活を送ってきたのかが伝わります。

総合型選抜における活動実績では、「何個やったか」だけではなく、それぞれの活動が自分の問題意識や将来の志とどのようにつながっているのかを考えることが重要です。

活動をたくさん並べるだけでは評価されない

たとえば、志望理由書や自己推薦書に、

「高校1年生では地域清掃のボランティアに参加しました」

「高校2年生では海外研修に参加しました」

「高校3年生では探究活動の発表会に参加しました」

「英検も取得しました」

「部活動では副部長を務めました」

と書いたとします。

活動の数だけを見れば、かなり充実した高校生活に見えるでしょう。

しかし、大学側が知りたいのは、単なる「活動一覧」だけではありません。

なぜ、その活動をしたのか。

それぞれの活動を通して何を考えたのか。

活動同士にはどのようなつながりがあるのか。

その経験が、現在の問題意識や将来の志にどのようにつながっているのか。

こうしたことまで説明できなければ、せっかく多くの活動をしていても、「いろいろなことを経験しました」という話で終わってしまいます。

特に注意したいのは、総合型選抜を意識するあまり、

「活動実績欄を埋めるために活動を増やす」

という状態になってしまうことです。

「ボランティアが評価されそうだから参加する」

「探究活動が必要そうだから何かテーマを決める」

「リーダーシップをアピールしたいから役職に就く」

「資格欄に書きたいから資格を取る」

というように、「受験で使えそうかどうか」だけを基準に活動を選んでいくと、それぞれの活動が本人の問題意識や将来の志から離れてしまいます。

活動実績は、履歴書を華やかにするためのコレクションではありません。

「なぜその活動をしたのか」を説明できるか

活動実績を考えるうえで、潜龍舎が特に重要だと考えているのが、

「なぜ、その活動をしたのか」

という問いです。

たとえば、同じ「子ども食堂でボランティアをした」という経験でも、その意味は一人ひとり違います。

単に学校から案内されたので参加した人もいるでしょう。

友人に誘われて参加した人もいるかもしれません。

一方で、

身近な経験から子どもの貧困に関心を持った。

関連する本や資料を読んで調べた。

数字だけでは分からない現場について知りたいと考えた。

地域の子ども食堂で活動した。

そこで実際に子どもや運営者と接して、新しい問題に気づいた。

という過程を持つ高校生もいるでしょう。

同じ「子ども食堂でのボランティア」でも、後者の場合には、本人の問題意識から活動へ至った理由が見えてきます。

重要なのは活動の名称ではありません。

その活動が、自分自身の問題意識から生まれた行動として説明できるかどうかです。

だから活動実績について考えるときには、一つひとつについて、

「私はなぜこれをやったのだろう?」

と問い直してみてください。

そこに自分なりの理由があるかどうかが重要です。

経験→問題意識→行動→志を一本につなげる

総合型選抜では、一つひとつの活動を独立した「実績」として考えるよりも、自分のこれまでの経験から将来までを一本の流れとして考えると分かりやすくなります。

たとえば、

自分自身の経験

興味・関心

問題意識

調査・リサーチ

実際の行動

活動から得た経験・気づき

さらに深まった問題意識

将来の「志」

大学で学び・研究する必要性

という流れです。

この流れの中に活動実績を位置づけることができれば、

「ボランティアをしました」

「インタビューをしました」

「探究活動をしました」

という個々の活動が、単独で存在するのではなくなります。

すべてが、

「自分は何に問題を感じ、何を考え、その問題について何をしてきたのか」

という一つの物語の中に位置づけられます。

これが、活動実績における**「一貫性」**です。

ただし、「一貫性」という言葉を誤解してはいけません。

高校1年生の段階から将来の職業や研究テーマを完全に決め、それに関係する活動だけをしなければならない、という意味ではありません。

高校生なのですから、興味・関心が変わることもあります。

実際に行動してみた結果、

「自分が本当に関心を持っているのはこちらだった」

と気づくこともあります。

むしろ重要なのは、その変化も含めて、自分が何を経験し、何を考え、なぜ次の行動へ進んだのかを説明できることです。

一貫性とは、最初から最後まで考えがまったく変わらないことではありません。

経験と経験の間に、自分自身の「考え」があることです。

活動から何を学び、次にどう行動したか

活動実績でもう一つ重要なのが、

「活動をして終わり」にしないことです。

たとえば、専門家にインタビューしたとします。

インタビューを実施したこと自体も一つの経験ですが、本当に重要なのはその後です。

何を知ったのか。

自分がそれまで考えていたことと、何が違ったのか。

新しくどのような疑問が生まれたのか。

その疑問について、次に何を調べたのか。

そして、さらに何を行動に移したのか。

活動は、一つ終わるたびに次の問いにつながっていきます。

調べる

行動する

経験する

考える

新しい疑問が生まれる

さらに調べる

次の行動をする

この循環を繰り返していくことで、活動は単発の「イベント参加」ではなく、自分自身の探究になっていきます。

そして、その過程で、

「自分が本当に解決したい問題は何なのか」

「これまでの知識だけでは何が分からないのか」

「大学では何を専門的に学ぶ必要があるのか」

ということも、次第に明確になっていきます。

つまり、活動実績は、志望理由書を書くための「材料」を集める作業ではありません。

行動することそのものが、自分の問題意識や将来の志を深め、大学で研究したいテーマを見つけていく過程でもあるのです。

だからこそ、活動実績について、

「あと何個、実績を作ればいいのか」

と考える必要はありません。

それよりも、

「なぜ自分はこの活動をしたのか」

「そこから何を考えたのか」

「その結果、次に何をしたのか」

「それらの経験が、自分の将来の志とどうつながっているのか」

を考えてみてください。

総合型選抜・学校推薦型選抜で重要なのは、活動実績の「数」を競うことではありません。

自分の経験、問題意識、行動、そして将来の志が、自分自身の言葉で一本につながっていること。

その一貫性こそが、活動実績を単なる「経歴」から、その受験生が何を考え、どのように生きてきたのかを示すものへと変えていきます。

 

「ボランティアをすれば有利」は本当?

総合型選抜・学校推薦型選抜の活動実績について考えるとき、よく出てくるのが「ボランティア」です。

「総合型選抜を受けるなら、ボランティアをしておいた方がいいですか?」

「どんなボランティアが大学に評価されますか?」

「ボランティアは何時間くらいやれば活動実績になりますか?」

こうした質問を受けることがあります。

しかし、まず知っておいてほしいのは、

「ボランティアをすれば総合型選抜で有利になる」と単純に考えることはできない

ということです。

もちろん、ボランティア活動が意味のある活動実績になる場合はあります。

しかし、「総合型選抜で評価されるために、とりあえずボランティアをする」という発想は、順番が逆です。

潜龍舎では、活動実績を「受験で評価してもらうために作るもの」とは考えていません。

まず自分自身の興味・関心や問題意識がある。

そこから、

「この問題について、自分にも何かできないだろうか」

と考える。

その結果としてボランティアという行動を選んだのであれば、その活動には本人なりの意味があります。

重要なのは、「ボランティアをした」という事実ではなく、「なぜ自分はそのボランティアをしたのか」なのです。

受験のためだけのボランティアはおすすめしない

たとえば、

「総合型選抜を受けることになった」

「活動実績が必要らしい」

「ボランティアが評価されると聞いた」

「とりあえず近所で参加できるボランティアを探した」

という流れで活動を始めたとします。

もちろん、その活動自体に社会的な意味がないわけではありません。

実際に参加したことをきっかけに新しい問題に気づき、その後の問題意識や行動へ発展することもあるでしょう。

しかし、

「大学入試で評価してもらうため」だけを目的としてボランティア活動に参加し、それをそのまま自分の活動実績としてアピールしようとすることには、潜龍舎は疑問を持っています。

なぜなら、総合型選抜で本来問われているのは、

「ボランティアを何時間やったか」

だけではなく、

「あなたは何に問題を感じ、その問題に対して何を考え、どのように行動してきたのか」

だからです。

仮に100時間のボランティア経験があったとしても、

「なぜこの活動を始めたのですか?」

「活動する前に、その問題について何を調べましたか?」

「実際に活動して何に気づきましたか?」

「活動後、その問題についてさらに何をしましたか?」

「その経験と、あなたが大学で学びたいことにはどのような関係がありますか?」

と聞かれたときに答えられなければ、活動時間の長さだけで自分の問題意識や志を示すことはできません。

活動実績を増やすためにボランティアをするのではなく、自分の問題意識について考え、行動した結果としてボランティアが選択肢になる。

この順序を大切にしてください。

ボランティアが活動実績として意味を持つ場合

では、どのような場合にボランティア活動が意味のある活動実績になるのでしょうか。

たとえば、高齢者の孤立という問題に関心を持っている高校生がいたとします。

最初は、祖父母との関わりなど、自分自身の身近な経験がきっかけだったかもしれません。

そこから、

「一人暮らしの高齢者はどれくらいいるのだろう」

「高齢者の孤立は、実際にどのような問題につながっているのだろう」

と疑問を持つ。

本や新聞、行政の資料、統計などを調べる。

しかし、資料を読むだけでは実際の高齢者がどのような生活を送り、何を感じているのかまでは分からない。

そこで地域の高齢者と関わる活動に参加してみる。

実際に話を聞いてみる。

すると、自分が最初に想像していた問題とは違う課題が見えてくる。

さらにその問題について調べたり、自分たち高校生にもできる企画を考えたりする。

この場合、重要なのは「高齢者ボランティア」という活動名ではありません。

自分の経験から生まれた問題意識が、調査や行動へとつながり、そこで得た経験によってさらに問題意識が深まっていることです。

つまり、

経験・興味

問題意識

リサーチ

ボランティアなどの行動

現場での経験・気づき

新たな問題意識

次の行動

という流れがあります。

この中にボランティア活動が位置づけられているのであれば、それは本人にとって意味のある活動実績になっていきます。

「ボランティア」という形にこだわる必要はない

もう一つ重要なのは、社会問題に関心があるからといって、必ずボランティアをしなければならないわけではないということです。

たとえば、食品ロスに関心がある高校生なら、

食品ロスについて本や統計資料を調べる。

地域のスーパーや飲食店に聞き取り調査をする。

消費者へのアンケートを行う。

自治体の取り組みを調査する。

専門家にインタビューする。

学校内で食品ロスを減らすための企画を実施する。

その結果をまとめて発表する。

といった活動も考えられます。

重要なのは、

「ボランティアをすること」ではなく、「自分の問題意識に対して、実際に何をしたのか」

です。

問題によっては、ボランティアよりも調査や研究の方が適切かもしれません。

専門家へのインタビューが必要な場合もあります。

フィールドワークをする方がよい場合もあります。

自分で企画を立ち上げることもできます。

だから、

「総合型選抜=ボランティア」

という固定観念を持つ必要はありません。

自分が知りたいこと、解決したい問題から逆算して、どのような行動が必要なのかを考えることが大切です。

自分の問題意識と活動をつなげる

ボランティア活動をすでに経験している人は、

「このボランティアは受験で使えるだろうか?」

と考える前に、まずその経験を振り返ってみてください。

なぜ参加したのか。

参加する前に何を考えていたのか。

実際に活動してみて、何を知ったのか。

自分の予想と違ったことはなかったか。

どんな人と出会ったのか。

どのような問題に気づいたのか。

その経験によって、自分の考え方はどう変わったのか。

活動後、その問題についてさらに何か調べたり、行動したりしたのか。

そして、その経験は、

「自分は将来何をしたいのか」

「大学で何を学び、研究したいのか」

という問いと、どのようにつながっているのか。

ここまで掘り下げて考えることで、単なる「ボランティアに参加した経験」が、自分自身の問題意識や志につながった活動として見えてくることがあります。

反対に、振り返ってみても、自分の志望理由や問題意識とはほとんど関係がない活動もあるでしょう。

それでも構いません。

高校時代に経験したすべての活動を、無理やり志望理由につなげる必要はありません。

「受験に使えそうだから」と、後から不自然な意味を付け加えることの方が問題です。

自分にとって本当に重要だった経験は何なのか。

どの経験から問題意識が生まれたのか。

その問題について、自分はどのような行動をしてきたのか。

そこを丁寧に見つけていくことが重要です。

総合型選抜・学校推薦型選抜で問われているのは、

「ボランティアをした高校生かどうか」ではありません。

問われているのは、

「自分の興味・関心や問題意識に対して、高校時代にどのように向き合い、考え、行動してきたのか」

です。

ボランティアは、その行動の一つの選択肢にすぎません。

だからこそ、

「どのボランティアをすれば有利ですか?」

ではなく、

「自分は何を問題だと考えているのか。そして、その問題に対して高校生である今の自分には何ができるのか?」

という問いから、活動を考えてみてください。

 

部活動は総合型選抜の活動実績になる?

総合型選抜・学校推薦型選抜を考えている高校生から、

「高校生活では部活動しかやっていないのですが、活動実績になりますか?」

「部長をしていたら評価されますか?」

「大会で結果を残していないと意味がありませんか?」

といった質問を受けることがあります。

結論から言えば、部活動も総合型選抜・学校推薦型選抜における活動実績の一つになる場合があります。

ただし、

「部活動を3年間続けた」

という事実だけで、すべての大学・学部で高く評価されるわけではありません。

また、

「部長だった」「副部長だった」

という肩書があるだけで有利になるわけでもありません。

一方で、スポーツや文化・芸術などにおける一定以上の成果を、出願資格や評価対象として明確に定めている大学・選抜方式もあります。

したがって、部活動についても、

「部活をやっていれば有利」

あるいは、

「大会実績がなければ意味がない」

と一律に考えるのではなく、志望大学が何を求めているのかを確認したうえで、自分自身がその活動にどのように取り組んできたのかを考える必要があります。

「3年間続けた」だけで高評価になるとは限らない

「高校3年間、部活動を続けました」

これはもちろん、一つの経験です。

毎日の練習を続けることにも意味がありますし、仲間と一緒に目標へ向かう中で学ぶこともあるでしょう。

しかし、総合型選抜における活動実績として考えるのであれば、

「3年間続けたから、それだけで評価される」

とは限りません。

なぜその部活動を選んだのか。

どのような目標を持って取り組んだのか。

活動の中で、どのような問題や困難に直面したのか。

そのとき、自分は何を考えたのか。

問題を解決するために、自分から何か行動したのか。

その経験から何を学んだのか。

こうしたことまで振り返ってみる必要があります。

たとえば、

「サッカー部に3年間所属しました」

だけで終わるのと、

「試合に出られない部員が次第に練習への意欲を失っていることに気づき、チーム全体の練習方法について考え、顧問や部員と話し合いながら改善を試みた」

という経験があるのとでは、同じ3年間の部活動でも、そこから伝わってくるものは違います。

重要なのは、単に**「所属していた期間」**ではなく、そこで何を考え、どう行動してきたのかです。

大会実績がなくても説明できることはある

では、大会で優勝したり、全国大会や県大会に出場したりしていなければ、部活動は活動実績として意味を持たないのでしょうか。

必ずしもそうではありません。

もちろん、大学・学部・選抜方式によっては、大会やコンクールなどで一定水準以上の成果を残していることを出願資格や評価対象としている場合があります。

そのような入試では、実際の「結果」が重要です。

しかし、すべての総合型選抜・学校推薦型選抜が、部活動について全国大会や県大会レベルの成果を要求しているわけではありません。

大会実績がなくても、

「どのような課題を発見したのか」

「その課題に対して自分は何をしたのか」

「仲間とどのように関わったのか」

「失敗したときにどう考え、どう行動を変えたのか」

「その経験によって、自分の考え方がどう変わったのか」

といったことは、自分自身の経験として語ることができます。

ただし、ここでも注意したいことがあります。

大会実績がない代わりに、

「部活動を通して協調性を学びました」

「最後まであきらめない大切さを学びました」

「仲間の大切さを知りました」

という一般的な言葉を付け加えればよい、ということではありません。

それでは、多くの受験生に当てはまる説明になってしまいます。

大切なのは、

「自分は実際に何を経験し、そのとき何を考え、どう行動したのか」

を具体的に振り返ることです。

その具体性の中に、その人自身の経験が表れます。

部活動「だけ」の高校生活でよいのか

潜龍舎では、高校1・2年生に対して、

部活動に一生懸命取り組むこと自体は、決して悪いことではない

と考えています。

好きなスポーツや文化活動に夢中になり、仲間とともに努力する経験は、高校生活において大切なものです。

しかし、総合型選抜・学校推薦型選抜、そしてその先の大学進学や将来について考えるのであれば、

高校生活のすべてが部活動だけになってしまうことには注意が必要です。

高校卒業後、自分は何をしたいのか。

社会にはどのような問題があるのか。

自分は何に興味を持っているのか。

大学で何を学びたいのか。

こうしたことについて考える時間も必要だからです。

特に、

「毎日部活動をしていました」

「高校3年生になったので総合型選抜を受けます」

「でも、大学で何を学びたいのか分かりません」

「活動実績も部活動以外にはありません」

という状態になってしまうと、そこから短期間で志望理由や研究テーマ、活動実績を作ろうとしても難しい場合があります。

総合型選抜のためだけではありません。

高校時代には、部活動の世界だけではなく、学校の外、地域、社会、そして自分がこれまで知らなかった世界にも目を向けてほしいと思います。

部活動から興味・関心が広がることもある

一方で、部活動と将来の志を完全に別のものとして考える必要もありません。

部活動そのものが、自分の問題意識を見つけるきっかけになることもあります。

たとえばスポーツに取り組む中で、

「けがをした選手の心理的なケアはどうなっているのだろう」

「なぜ女子選手と男子選手では競技環境に違いがあるのだろう」

「地域によってスポーツをする機会に差があるのではないか」

「部活動の指導者不足をどう解決すればよいのだろう」

といった疑問を持つこともあるでしょう。

文化部でも同じです。

演劇、吹奏楽、美術、写真、文芸などに取り組む中で生まれた疑問が、文化政策、教育、心理、地域社会、メディア、芸術などへの関心につながることがあります。

つまり、

部活動

そこでの具体的な経験

疑問・問題意識

調査・探究

学校外での行動

将来の志・大学で研究したいテーマ

と発展していく可能性もあります。

重要なのは、無理やり部活動を志望理由につなげることではありません。

自分が部活動の中で本当に何を経験し、そこから何を考えるようになったのかを丁寧に振り返ることです。

志に関連する活動を学校外にも広げる

もし部活動とは別に、すでに自分が興味を持っている問題や将来の志があるのであれば、その関心を部活動だけに閉じ込める必要はありません。

たとえば医療に関心があるなら、医療について本を読んだり、医療従事者に話を聞いたりする。

地域活性化に関心があるなら、実際に地域を歩いて調査したり、地域で活動している人にインタビューしたりする。

教育に関心があるなら、学校や学習支援の現場について調べたり、教育に関わる人から話を聞いたりする。

環境問題に関心があるなら、統計資料を調べたり、フィールドワークをしたり、自分たちで調査を行ったりする。

こうして、

「部活動+自分自身の興味・関心に基づく活動」

へと高校生活を広げていくことができます。

総合型選抜のために無理に「特別な活動」を付け加える必要はありません。

それよりも、

「自分は部活動以外に何に興味があるのだろう」

「将来、どのようなことをしたいのだろう」

「そのために高校生の今、何を知り、何を経験しておくべきだろう」

と考えてみることが大切です。

部活動に全力を注ぐことは素晴らしいことです。

しかし、高校生活は部活動だけではありません。

本を読む。

映画を見る。

社会について調べる。

地域へ出る。

専門家に会う。

大学の研究について調べる。

自分とは違う世代や立場の人と話す。

そうした経験もまた、自分の世界を広げてくれます。

そして、その中から新しい興味や問題意識が生まれれば、それが次の行動につながり、やがて自分の将来の「志」へと発展することもあります。

したがって、

「部活動は活動実績になりますか?」

という問いに対する答えは、単純な「YES」「NO」ではありません。

部活動そのものや、そこで得た成果を評価する大学もあります。

一方で、単に「3年間所属していた」という事実だけで高く評価されるとは限りません。

大切なのは、

部活動で何を経験し、何を考え、どう行動したのか。

そして、

その経験を含めた高校生活全体を通して、自分が何に関心を持ち、将来何をしたいと考えるようになったのか。

ということです。

部活動を「受験で使える実績かどうか」だけで考えるのではなく、自分の高校生活を形づくった一つの経験として捉え、その経験からさらに世界を広げていくことを大切にしてください。

 

学校の「探究活動」は活動実績になる?

現在、多くの高校では「総合的な探究の時間」などを通して、生徒自身がテーマを設定し、調査や発表を行う「探究活動」が行われています。

そのため、総合型選抜・学校推薦型選抜を考えている高校生から、

「学校でやっている探究活動は、活動実績になりますか?」

「探究の授業で研究したテーマを、志望理由書に書いてもいいですか?」

「総合型選抜のために、学校とは別に探究活動をした方がいいですか?」

といった質問を受けることがあります。

結論から言えば、学校で行った探究活動も、自分の問題意識や大学で学びたいことにつながっているのであれば、総合型選抜における活動実績の一つとして活用できる可能性があります。

しかし、

「学校の探究授業を受けた=それだけで強い活動実績になる」

と考えるのは注意が必要です。

現在では多くの高校生が学校の授業として探究活動に取り組んでいます。

そのため、学校から与えられた時間の中でテーマを決め、インターネットで調べ、スライドにまとめて発表したというだけでは、その受験生ならではの活動として十分に差別化できない場合があります。

大切なのは、学校の探究活動を「終点」ではなく「出発点」として考えることです。

探究の授業を受けただけでは弱い

たとえば、学校の探究活動で、

「食品ロスについて調べた」

という高校生がいたとします。

インターネットで食品ロスの現状を調べ、原因や対策をまとめ、学校で発表した。

もちろん、これも一つの学習経験です。

しかし、総合型選抜における活動実績として考えた場合、

「なぜ食品ロスをテーマに選んだのですか?」

「調べてみて、何が問題だと思いましたか?」

「インターネットで調べる以外に何かしましたか?」

「実際の現場ではどうなっているのですか?」

「調査した結果、自分は何をしましたか?」

「その後も、この問題について考えたり活動したりしていますか?」

と聞かれる可能性があります。

そこで、

「学校の課題だったので調べました」

だけで終わってしまえば、その探究は本人自身の問題意識と十分につながっていないことになります。

総合型選抜では、単に「探究活動を経験した」という事実だけではなく、そのテーマに本人がどのように向き合い、どこまで自分自身で考え、行動したのかが重要になります。

学校の探究活動を「きっかけ」にする

だからといって、学校で行う探究活動に意味がないわけではありません。

むしろ学校の探究活動は、それまで知らなかった問題に出会い、自分自身の興味・関心を見つける非常によい「きっかけ」になり得ます。

最初は先生から提示されたテーマだったとしても構いません。

調べている途中で、

「これは思っていたより深刻な問題なのではないか」

「なぜこの問題は解決されないのだろう」

「実際に困っている人はどう考えているのだろう」

「別の地域ではどうなっているのだろう」

「自分にも何かできないだろうか」

という疑問が生まれることがあります。

ここからが重要です。

学校の授業が終わったから探究も終わるのではなく、そこで生まれた自分自身の「問い」をさらに追いかけていくのです。

たとえば、

学校の探究活動

テーマについて調べる

疑問・問題意識が生まれる

さらに本や論文、統計資料などを調べる

学校外へ出て調査する

当事者や専門家に話を聞く

自分なりの行動・実践を行う

新しい問題に気づく

さらに探究する

という形です。

こうなれば、最初は「学校の授業」として始まった探究活動が、次第に自分自身の探究活動へ変わっていきます。

調査・インタビュー・フィールドワークへ発展させる

探究活動を深めるためには、インターネットで検索して情報を集めるだけで終わらせないことも重要です。

もちろん、最初に情報を集めるためにインターネットを利用すること自体が悪いわけではありません。

しかし、社会で実際に起きている問題について考えるのであれば、ネット上の情報だけでは分からないことがたくさんあります。

関連する本を読む。

論文を読む。

政府や自治体、研究機関などが公表している統計や資料を調べる。

実際の現場へ行ってみる。

当事者に話を聞く。

専門家にインタビューする。

アンケートや聞き取り調査をする。

フィールドワークをする。

そして、必要であれば自分自身で何かを企画し、実践してみる。

こうして探究を学校の外へ広げていくことで、ネット検索だけでは見えなかった「現実」に触れることができます。

たとえば、地域の空き家問題について探究しているのであれば、ネット上で全国の空き家率を調べるだけでなく、自分の地域を実際に歩いてみることもできます。

自治体の担当者や地域住民、不動産関係者などに話を聞けば、

「空き家が増えている」

という数字だけでは分からなかった、

「なぜ、この地域では空き家が増えているのか」

という具体的な問題が見えてくるかもしれません。

そこで新たな疑問が生まれれば、さらに調査する。

必要であれば自分なりの提案や活動を考えてみる。

このように、「調べて終わり」ではなく、「調べる→現実を見る→考える→行動する→また考える」ところまで進めることで、探究は深まっていきます。

「調べ学習」から「自分自身の問い」へ

探究活動で特に大切なのは、自分自身の「問い」を持つことです。

たとえば、

「少子高齢化について」

「地球温暖化について」

「食品ロスについて」

「子どもの貧困について」

というだけでは、まだ大きな「テーマ」にすぎません。

そこから、

「私は、その問題の中の何を知りたいのか」

まで絞り込む必要があります。

食品ロスなら、

「なぜ日本ではまだ食べられる食品が廃棄されるのか」

だけでなく、

「自分の住んでいる地域のスーパーでは、どのような理由で食品が廃棄されているのか」

「消費者の購買行動は食品廃棄にどの程度関係しているのか」

「高校生の行動を変えることで、学校や家庭の食品ロスを減らせないか」

など、問いを具体化することができます。

そして、自分の問いが具体的になるほど、

「では、それを確かめるために何を調べればいいのか」

「誰に話を聞けばいいのか」

「どこへ行けばいいのか」

「自分で何を試してみればいいのか」

という次の行動も見えてきます。

探究活動を活動実績として意味のあるものにしていくうえでは、学校から与えられた「テーマ」をこなすのではなく、そこから自分自身の問いを見つけることが大切です。

探究テーマを大学での研究テーマにつなげる

探究活動を深めていくと、やがて高校生の知識や調査だけでは答えられない問題にぶつかることがあります。

これは決して悪いことではありません。

むしろ、そこに大学で学ぶ必要性が生まれてきます。

たとえば地域の高齢者問題について調査した結果、

「高齢者が交流できるイベントを増やすだけでは、孤立の根本的な解決にはならないのではないか」

という疑問を持ったとします。

すると、

「高齢者の孤立はなぜ起こるのか」

「地域コミュニティのあり方と孤立にはどのような関係があるのか」

「社会福祉制度ではどこまで対応できるのか」

といった、さらに専門的な問いが生まれてきます。

そこで初めて、

「この問題についてもっと専門的に学びたい」

ではなく、

「この問題を考えるためには、大学で社会福祉や社会学について専門的に学び、研究する必要がある」

というところまで進むことができます。

これは総合型選抜において非常に重要です。

探究活動

問題意識が深まる

高校生として調査・実践する

それでも解決できない問いが残る

大学で研究したいテーマが生まれる

その研究ができる大学・学部・教員を探す

という流れができるからです。

このようにつながれば、探究活動は単なる「高校時代に頑張ったこと」ではなく、なぜ自分がその大学へ進学する必要があるのかを説明する重要な経験になります。

「学校で探究をやった」で終わらせない

総合型選抜・学校推薦型選抜を考えている高校1・2年生には、ぜひ学校の探究活動を有効に使ってほしいと思います。

ただし、

「学校で探究活動をやっているから、活動実績は大丈夫」

と考えて終わらせないでください。

学校の探究活動は、あくまでも一つの「きっかけ」になり得るものです。

そこで見つけた興味や疑問について、授業が終わった後も調べる。

本を読む。

人に会う。

現場へ行く。

自分で調査する。

何かを実践する。

そして、また考える。

そうすることで、

学校から与えられた探究

から、

自分自身の問題意識に基づく探究

へと変わっていきます。

総合型選抜で重要なのは、単に「探究活動をやった」という経歴を持つことではありません。

何を疑問に思い、その疑問について自分でどこまで調べ、考え、行動してきたのか。

そして、

その探究によって、自分の問題意識や将来の志がどのように深まり、大学で何を研究したいと考えるようになったのか。

そこまでつながったとき、高校で始めた探究活動は、総合型選抜においても意味のある活動実績になっていきます。

 

活動実績がない高校生はどうすればいい?

総合型選抜・学校推薦型選抜を考え始めた高校生、特に高校3年生から、

「これまで部活動しかやってきませんでした」

「ボランティアや探究活動をしたことがありません」

「大会やコンクールの受賞歴もありません」

「志望理由書に書けるような活動実績が何もありません」

「今から活動実績を作ることはできますか?」

といった相談を受けることがあります。

活動実績がないことに気づくと、焦って、

「今から参加できるボランティアはないか」

「短期間で実績になる活動はないか」

と探したくなるかもしれません。

しかし、潜龍舎では、まず一度立ち止まって考えてほしいと思っています。

「活動実績がない」という問題の前に、「なぜ、これまで活動してこなかったのか」という問題があるからです。

まず「実績を作ろう」と考えない

総合型選抜を受験すると決めてから、

「活動実績が必要らしい」

「何かやらなければならない」

「ボランティアに参加しよう」

「探究活動もやっておこう」

という順番で考える人がいます。

しかし、これは潜龍舎が考える活動実績の本来のあり方とは逆です。

本来は、

自分は何に興味を持っているのか。

どのような問題について考えているのか。

将来、何をしたいのか。

というところから始まります。

そして、

「そのために、高校生である今の自分には何ができるのか」

と考えて行動する。

その行動が積み重なった結果が「活動実績」です。

ですから、「活動実績がない」と気づいたときに最初にするべきことは、活動実績になりそうなイベントを検索することではありません。

まず、

「自分は何に関心があるのか」

「自分は将来何をしたいのか」

を考えるところから始めてみてください。

「活動実績がない」の背景に「志がない」という問題がないか

少し厳しい言い方になりますが、潜龍舎では、

「活動実績がない」という問題の背景には、「将来の志がまだ十分に見えていない」という問題が隠れていることがある

と考えています。

たとえば、

「将来、児童虐待を減らす仕事がしたい」

と本気で考えている高校生がいたとします。

そうすれば自然に、

「日本ではどれくらい児童虐待が起きているのだろう」

「なぜ虐待は起こるのだろう」

「児童相談所はどのような仕事をしているのだろう」

「現在の制度にはどんな課題があるのだろう」

「虐待を防ぐために高校生にもできることはないだろうか」

といった疑問が生まれてくるはずです。

疑問が生まれれば、本を読んだり、資料を調べたり、人に話を聞いたりするでしょう。

さらに関心が強くなれば、関連する活動に参加したり、自分で何かを企画したりするかもしれません。

つまり、

志や強い問題意識がある

知りたいことが生まれる

調べる

行動する

その行動が活動実績として積み上がる

という関係があります。

だからこそ、活動実績がほとんどない場合には、

「活動が足りない」だけではなく、「自分がこれから何をしたいのかが、まだ十分に定まっていないのではないか」

というところまで考える必要があります。

もちろん、高校生の段階で将来の職業や人生を完全に決める必要はありません。

しかし少なくとも、

「自分は何に興味があるのか」

「どんな問題が気になるのか」

という方向性は少しずつ探していく必要があります。

自分の興味・関心と問題意識を掘り下げる

では、「将来の志なんてまだ分からない」という人はどうすればよいのでしょうか。

いきなり、

「将来、社会のために何を成し遂げたいですか?」

と聞かれても、答えられない高校生は少なくありません。

そんなときは、もっと身近なところから考えてみてください。

自分が好きなことは何か。

学校で面白いと思う科目は何か。

ニュースを見ていて気になる問題は何か。

これまでの人生で疑問に感じたことは何か。

自分自身や家族、友人が困った経験はないか。

「なぜこうなっているのだろう」と感じたことはないか。

こうしたところに、自分の問題意識の種が隠れていることがあります。

また、興味の入口は必ずしも「社会問題」である必要はありません。

文学、映画、音楽、アニメ、ファッション、スポーツ、ゲーム、科学、歴史など、自分が本当に好きなものから問いが生まれることもあります。

重要なのは、受験で評価されそうなテーマを無理に探すことではなく、自分が本当に「もっと知りたい」と思えるものを見つけることです。

本・論文・統計資料などで調べる

興味のあるテーマが見つかったら、まず調べてみましょう。

ここで注意したいのは、インターネットで少し検索して終わらせないことです。

関連する本を読む。

新聞記事を読む。

行政や研究機関が公表している資料を見る。

統計データを確認する。

可能であれば論文にも触れてみる。

さまざまな立場から書かれた資料を比較する。

調べていくと、

「自分が思っていたのと違った」

ということが出てくるはずです。

そして、

「では、なぜこうなっているのだろう?」

という次の疑問が生まれます。

この「疑問」が重要です。

最初から立派な研究テーマを作る必要はありません。

調べることで疑問を見つけ、その疑問についてさらに調べる。

それを繰り返すことで、自分自身の問題意識が少しずつ具体的になっていきます。

現場へ行く・人に会う・話を聞く

資料を調べたら、できる範囲で学校や自宅の外へ出てみることも大切です。

社会で実際に起きている問題は、本やインターネットだけですべて理解できるわけではありません。

たとえば、

地域の問題なら、実際にその地域を歩いてみる。

福祉に関心があるなら、福祉の現場について調べる。

教育に関心があるなら、先生や教育に関わる人に話を聞く。

法律に関心があるなら、裁判を傍聴したり、法律家にインタビューしたりする。

地域活性化に関心があるなら、自治体や地域で活動している人に話を聞いてみる。

自分とは違う立場の人と話すことで、それまで自分が考えていなかった現実が見えてくることがあります。

潜龍舎のこれまでの生徒にも、将来の志から逆算して、裁判を傍聴したり、弁護士にインタビューしたり、地域の高齢者と関わる企画を考えたり、養護教諭へのインタビューやアンケート調査を行ったりした高校生がいます。

大切なのは、最初から「すごい活動」をすることではありません。

自分の疑問について、実際の世界に触れながら確かめてみることです。

自分にできる「小さな行動」を始める

「活動実績を作らなければ」と考えると、

「高校生が社会問題を解決するような大きなプロジェクトをしなければならない」

と思ってしまうかもしれません。

しかし、その必要はありません。

高校生一人で社会全体の問題を解決することなど、ほとんどの場合できません。

むしろ、

「大きな問題の手前にある、自分にも取り組める小さな問題は何か」

と考えてみてください。

たとえば、高齢者の孤立という大きな問題そのものを解決することは難しくても、

「自分の地域では高齢者と高校生が交流する機会が少ない」

という小さな問題なら、高校生にも何かできるかもしれません。

学校の食品ロス全体をゼロにすることはできなくても、

「まず自分の学校では、どのくらい食品が廃棄されているのか調べてみる」

ことならできるかもしれません。

地域全体の子育て問題を解決することはできなくても、

「子育て中の人に話を聞いて、どんなことに困っているのか調査する」

ことならできるかもしれません。

調査する。

インタビューする。

アンケートを取る。

現場を見る。

イベントを企画する。

学校で提案する。

情報をまとめて発信する。

専門家に相談する。

できることはさまざまあります。

重要なのは、活動の規模ではなく、

自分の問題意識から「今の自分に何ができるのか」を考え、実際に一歩動いてみることです。

行動を一度で終わらせず、継続・発展させる

そして、活動実績を考えるうえで特に重要なのが、

「一回やって終わり」にしないことです。

たとえば専門家にインタビューしたのであれば、

「インタビューをしました」

で終わらせるのではなく、

「話を聞いて何が分かったのか」

を考えます。

すると、新しい疑問が出てくるかもしれません。

その疑問について、もう一度資料を調べる。

別の立場の人にも話を聞く。

最初に考えていた仮説を修正する。

必要なら、自分で何かを実践してみる。

そして、その結果についてまた考える。

つまり、

興味・関心

調べる

疑問が生まれる

行動する

経験する

考える

新しい問題意識が生まれる

次の行動へ進む

という循環を作っていきます。

この過程を繰り返すうちに、

「自分は本当はこの問題に関心があったのだ」

「最初に考えていた問題より、こちらの問題の方が重要なのではないか」

「高校生としてできることには限界がある」

「この問題について、もっと専門的に研究する必要がある」

といったことが見えてきます。

そして、その先に、

「だから大学でこれを学びたい」

ではなく、

「この問題についてさらに考え、将来の志を実現するためには、大学でこの分野を学び、研究する必要がある」

という大学進学の必然性が生まれてきます。

活動することで「志」が見えてくることもある

ここまで、

「志があるから行動が生まれる」

と説明してきました。

しかし、実際にはその逆もあります。

高校生の段階で、

「私は将来絶対にこれをやる」

という明確な志を持っている人ばかりではありません。

むしろ、

「なんとなく興味がある」

「少し気になっている」

というところから始まる人の方が多いでしょう。

だからこそ、行動してみることが重要です。

本を読んでみる。

人に会ってみる。

現場へ行ってみる。

実際に何かをやってみる。

すると、

「思っていたのと違った」

ということもあります。

それも大切な経験です。

行動することで、

「自分はこの問題にはそれほど関心がなかった」

と気づくこともあれば、

「もっと知りたい」

「これは大学でも研究したい」

「将来、この問題に関わる仕事をしたい」

と考えるようになることもあります。

つまり、

志があるから行動する。

そして同時に、

行動するから志が育つ。

活動実績とは、この両方を繰り返しながら積み上がっていくものです。

「活動実績がない」なら、今日から一歩目を始める

もし今、

「自分には活動実績がない」

と感じているのであれば、必要以上に落ち込む必要はありません。

しかし、

「すごい実績がなくても大丈夫らしいから、何もしなくていい」

と考えるのも違います。

まず、自分のこれまでの経験を振り返ってみてください。

自分は何に興味を持ってきたのか。

どんなことに疑問を感じてきたのか。

何についてなら、もっと知りたいと思えるのか。

そこから一つテーマを見つけて、調べてみる。

本を一冊読んでみる。

関連する場所へ行ってみる。

誰か一人に話を聞いてみる。

そして、そこで分かったことから次の行動を考える。

最初から全国大会や大規模なプロジェクトを目指す必要はありません。

小さくても、自分自身の問題意識から生まれた一歩を踏み出すこと。

そこから活動は始まります。

そして、その一歩を積み重ねながら、

「自分は何を問題だと考えているのか」

「将来、何をしたいのか」

「そのために大学で何を学び、研究する必要があるのか」

を少しずつ明確にしていく。

それが、活動実績がない高校生に、まず取り組んでほしいことです。

 

活動実績は「作る」のではなく「積み上げる」

総合型選抜・学校推薦型選抜の準備について調べていると、

「活動実績の作り方」

「総合型選抜で評価される実績の作り方」

「短期間で作れる活動実績」

といった言葉を目にすることがあります。

実際、高校3年生になってから総合型選抜を受験することを決め、

「志望理由書に書ける活動実績がない」

「今から何か実績を作らなければ」

と焦る高校生も少なくありません。

しかし、潜龍舎では、そもそも活動実績を**「受験のために作るもの」**とは考えていません。

活動実績とは本来、

自分の興味・関心や問題意識、将来の「志」に基づいて行動してきた結果として、少しずつ積み上がっていくもの

だからです。

受験直前に活動を「盛る」のは違う

たとえば、高校3年生になって総合型選抜を受験することを決めたとします。

そこで、

「総合型選抜には活動実績が必要らしい」

と知り、

ボランティアに一度参加する。

イベントに参加する。

探究活動らしいものを始める。

短期間で資格を取る。

そして、それらを志望理由書や活動報告書に並べる。

もちろん、高校3年生から新しい活動を始めること自体が悪いわけではありません。

問題は、

「受験で使える実績を作ること」そのものが活動の目的になってしまうこと

です。

活動実績は、志望理由書の空欄を埋めるためのものではありません。

まして、

「総合型選抜で評価されそうだから」

という理由だけで、ボランティアや社会活動を選ぶものでもありません。

なぜその活動を始めたのか。

その前にどのような問題意識があったのか。

何を知りたいと思ったのか。

活動して何を発見したのか。

その後、さらに何をしたのか。

こうした前後のつながりがなければ、活動をいくつ追加しても、それは単なる「活動歴」の羅列になってしまいます。

総合型選抜のために、自分の高校生活を実際以上に華やかに見せる必要はありません。

大切なのは、

「受験で評価される自分」を作ることではなく、「自分が本当に考えてきたこと、実際に行動してきたこと」を深めていくことです。

「志」があれば、行動が生まれる

潜龍舎では、活動実績を考えるうえで「志」を非常に重視しています。

ここでいう「志」とは、

「医者になりたい」

「弁護士になりたい」

「教師になりたい」

といった職業名だけを指しているわけではありません。

その職業に就いて、

「何をしたいのか」

まで考えることです。

たとえば、

「将来、弁護士になりたい」

だけで終わるのではなく、

「労働問題に苦しむ人を法的に支援したい」

という志があったとします。

そうすれば、

「現在、日本ではどのような労働問題が起きているのだろう」

「労働災害はなぜ起こるのだろう」

「実際の裁判ではどのようなことが争われているのだろう」

「弁護士は労働問題にどのように関わっているのだろう」

といった疑問が生まれてくるでしょう。

疑問が生まれれば、調べます。

本を読む。

資料を見る。

実際の事件について調査する。

裁判を傍聴する。

弁護士に話を聞く。

そうした行動が生まれてきます。

つまり、

問題意識・疑問

調査

行動

経験

という流れです。

そして、こうした行動を積み重ねた結果として、

「活動実績」が残る。

これが、本来の順序です。

「総合型選抜を受けるから活動実績を作る」のではありません。

「自分の将来のために必要だから行動する。その行動の積み重ねが、結果として活動実績になる」

という順序を大切にしてください。

行動することで「志」も深まっていく

ただし、

「最初に完璧な志を決めなければ、何も活動してはいけない」

という意味ではありません。

高校生の段階で、自分の将来を完全に決められる人ばかりではありません。

むしろ最初は、

「なんとなく教育に興味がある」

「環境問題が気になる」

「子どもに関わる仕事がしたい」

「地域の問題について考えてみたい」

という程度でもよいでしょう。

そこから調べ、行動してみます。

たとえば、

教育に興味がある

教育について本を読む

不登校という問題を知る

実際に不登校支援に関わっている人に話を聞く

自分が想像していた問題と現実との違いを知る

さらに調べる

という経験をするかもしれません。

その結果、

「自分が本当に関心を持っているのは、学校教育そのものではなく、不登校の子どもたちの学びの場なのではないか」

と気づくこともあります。

つまり、

志があるから行動する

だけではありません。

行動することによって、自分の志が見えてくることもある。

さらに行動することで、

「自分は本当にこの問題に取り組みたいのか」

を確かめることもできます。

だから活動実績は、一直線に積み上げる履歴書のようなものではありません。

興味を持つ

調べる

行動する

経験する

考える

問題意識が深まる

志が少しずつ明確になる

さらに行動する

という循環の中で積み上がっていくものです。

「活動実績を作る」と「活動実績が積み上がる」は違う

この違いは、総合型選抜を考えるうえで非常に重要です。

活動実績を作る

という発想では、

「大学に評価されるためには何をすればいいか」

から始まります。

一方、

活動実績が積み上がる

という考え方では、

「自分は何に関心があるのか」

「何を問題だと考えているのか」

「将来、何をしたいのか」

「そのために今の自分には何ができるのか」

から始まります。

似ているように見えますが、出発点がまったく違います。

前者の中心にあるのは**「入試」**です。

後者の中心にあるのは**「自分自身の問題意識と将来」**です。

もちろん、総合型選抜を受験する以上、志望大学の募集要項や評価基準を確認することは必要です。

大学によっては、特定の資格や活動経験、大会・コンクールなどでの成果を求める場合もあります。

しかし、それでも、

「大学に評価されるためだけに何かをする」

のではなく、

自分の志と大学側が求めるものを照らし合わせながら、

「自分の将来のために、高校生の今、何を経験しておく必要があるのか」

を考えることが重要です。

活動は一回で完成させなくていい

活動実績という言葉から、

「何か一つ、大きなことを成し遂げなければならない」

と考える必要もありません。

むしろ大切なのは、一つの行動から次の行動へつなげていくことです。

たとえば、

本を読む

疑問が生まれる

統計資料を調べる

現実をもっと知りたくなる

専門家にインタビューする

新しい問題に気づく

現場を訪ねる

自分にもできることを考える

小さな企画を実践する

うまくいかなかった点を振り返る

さらに調べ、改善する

というように、一つひとつの行動をつなげていくことができます。

最初から「すごい活動」を考える必要はありません。

むしろ、

一つの疑問を放置せず、次の行動へつなげていくこと

の方が大切です。

こうした積み重ねがあれば、志望理由書や面接でも、

「○○という活動をしました」

だけではなく、

「なぜ始めたのか」

「何を発見したのか」

「その発見から、なぜ次の行動をしたのか」

「その結果、自分の問題意識がどう変わったのか」

まで、自分自身の経験として説明できるようになります。

高校1・2年生だからこそ「積み上げる」時間がある

だからこそ、潜龍舎では高校1・2年生のうちから、自分の将来について少しずつ考えてほしいと思っています。

高校3年生になってから、

「総合型選抜を受けることにした」

「活動実績が必要だ」

「急いで何かしなければ」

となると、どうしても「実績を作る」という発想になりやすいからです。

一方、高校1・2年生であれば、

興味のある本を読む。

学校の探究活動をきっかけに調査を始める。

実際の現場へ行く。

人に会う。

失敗する。

考え直す。

別のことを試す。

興味が変わる。

そして、また行動する。

という時間があります。

その過程で、

「自分は何に関心があるのか」

「将来、何をしたいのか」

を少しずつ見つけていけばよいのです。

活動実績は、短期間で完成させる「作品」ではありません。

高校生活の中で、自分が何に興味を持ち、何を考え、どのように行動してきたのかという軌跡そのものです。

だから、

「活動実績を作らなければ」

と焦るのではなく、

「自分は次に何を知りたいのか」

「そのために次は何をしてみようか」

と考えてみてください。

その小さな行動を繰り返していく。

そして、その経験についてまた考える。

その積み重ねの先に、活動実績があります。

 

志望大学が求める「活動実績」を必ず確認する

ここまで、総合型選抜・学校推薦型選抜における活動実績について、

「すごい実績があれば合格できるわけではない」

「活動の数よりも、なぜその活動をしたのかが重要」

「受験のために活動実績を作るのではなく、自分の問題意識や志から行動する」

ということを説明してきました。

しかし、ここで非常に重要な注意点があります。

それは、

大学・学部・選抜方式によって、求められる「活動実績」は違う

ということです。

「活動実績は内容よりも自分にとっての意味が大切なのだから、どんな活動でも構わない」

と考えてしまうのも正しくありません。

大学によっては、出願資格として特定の資格や経験を求めている場合があります。

また、スポーツ・文化活動、コンテスト、研究活動などにおける一定の成果を評価対象としている選抜もあります。

したがって、総合型選抜・学校推薦型選抜を考えるのであれば、

「自分は何をしてきたか」

だけを見るのではなく、

「自分が受験しようとしている大学は、どのような学生を求め、どのような活動・経験・成果を評価しようとしているのか」

を必ず確認する必要があります。

大学によって評価する活動実績は違う

一口に「総合型選抜」「学校推薦型選抜」といっても、すべての大学が同じ基準で受験生を評価しているわけではありません。

ある大学・学部では、

スポーツや文化活動における成果を重視するかもしれません。

別の大学・学部では、

探究活動や研究活動を重視するかもしれません。

外国語資格が重要になる場合もあります。

地域活動や社会活動などの経験を求める場合もあります。

また、単に「活動した経験」があるだけではなく、その活動によって一定の「成果」を上げていることが求められる選抜もあります。

つまり、

「総合型選抜では、どんな活動実績が評価されますか?」

という質問には、本来、一つの答えはありません。

正確には、

「あなたが志望する大学・学部・選抜方式では、どのような活動実績が求められていますか?」

と考える必要があります。

だからこそ、活動実績を考えるときには、一般的な「総合型選抜で評価される活動ランキング」のような情報だけを頼りにするのではなく、自分が受験する大学が公表している情報を直接確認することが重要です。

まず募集要項・出願資格を読む

志望大学が決まったら、まず確認してほしいのが募集要項と出願資格です。

ここは非常に重要です。

たとえば出願資格として、

一定以上の外国語資格を取得していること。

特定の分野で活動経験があること。

スポーツや文化活動などで一定の成果を収めていること。

特定の課題や研究に取り組んだ経験があること。

などが定められている場合があります。

もしそれが「出願資格」であれば、

どれだけ志望理由書がよく書けても、その条件を満たしていなければ出願そのものができない可能性があります。

したがって、

「自分にはこんな活動実績があります」

と考える前に、

「そもそも自分は出願条件を満たしているのか」

を確認してください。

特に高校1・2年生の場合は、早めに確認しておくことが重要です。

なぜなら、外国語資格であれば取得までに時間がかかりますし、大会や研究活動、継続的な地域活動なども、高校3年生になってから短期間で準備できるとは限らないからです。

「高校3年生になってから募集要項を読んだら、必要な条件を満たしていなかった」

ということにならないよう、志望大学の情報は早い段階から確認しておきましょう。

提出書類から「何を証明する必要があるか」を確認する

次に確認したいのが、出願時に提出する書類です。

総合型選抜・学校推薦型選抜では、

志望理由書。

自己推薦書。

活動報告書。

活動実績を記入する書類。

資格や検定の証明書。

大会・コンクールなどの成果を証明する資料。

探究・研究活動の成果物。

など、大学によってさまざまな書類の提出を求められることがあります。

ここを見ると、その大学が受験生の高校時代の活動について、

「何を知りたいのか」

がある程度見えてきます。

たとえば、単に活動名を書く欄だけでなく、

「活動内容」

「活動期間」

「本人の役割」

「活動によって得られた成果」

「活動から学んだこと」

などを記入する欄が設けられているのであれば、それぞれについて説明できるようにしておく必要があります。

また、活動実績について証明資料の提出を求められる場合には、

「自分がやったと言えばよい」

わけではありません。

賞状、認定証、資格証明書、活動を証明する文書など、大学が指定する方法で証明する必要が出てきます。

だからこそ、募集要項だけでなく、実際の出願書類まで早い段階で確認しておくことが大切です。

アドミッション・ポリシーと活動を照らし合わせる

もう一つ確認してほしいのが、大学・学部の**アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)**です。

アドミッション・ポリシーには、その大学・学部が、

「どのような学生に入学してほしいのか」

という考え方が示されています。

たとえば、

主体的に社会の課題へ取り組む学生。

特定の学問分野に強い関心を持つ学生。

異なる立場の人と協働できる学生。

国際的な問題に関心を持つ学生。

高校時代に特定の分野について継続的に学んできた学生。

など、大学・学部によって求める学生像は異なります。

ここで重要なのは、

アドミッション・ポリシーに自分を無理やり合わせることではありません。

自分がこれまで考え、行動してきたことと、大学が求めている学生像に、本当に接点があるのかを確認することです。

たとえば、自分が地域の高齢者問題について継続的に調査・活動してきたのであれば、

その経験は、志望する学部の教育内容や求める学生像とどのようにつながっているのか。

自分が高校時代に行ってきた探究活動は、その大学でさらにどのような研究へ発展させることができるのか。

自分が積み上げてきた活動と、大学が提供している学びには、本当に接点があるのか。

こうしたことを考えていきます。

総合型選抜では、

「自分がやってきたこと」

と、

「大学が求めていること」

の両方を見る必要があります。

この二つが重なっている大学・学部を探すことも、大学との「マッチング」を考えるうえで重要です。

「成果」まで要求する大学には注意する

活動実績について考えるとき、特に注意してほしいのが、

「活動経験」と「活動成果」は同じではない

ということです。

たとえば、

「スポーツに3年間取り組んだ」

ことと、

「スポーツの大会で一定以上の成績を収めた」

ことは違います。

「探究活動を行った」

ことと、

「その研究を外部のコンテスト等で発表し、一定の成果を収めた」

ことも違います。

「英語を頑張った」

ことと、

「大学が指定する外国語資格・スコアを取得した」

ことも違います。

大学・選抜方式によっては、

「活動したこと」だけではなく、「その活動でどのような成果を上げたのか」

まで求める場合があります。

そのような選抜を受験するのであれば、

「総合型選抜では実績の大きさよりプロセスが大切だから、結果は必要ない」

と考えてはいけません。

大学が明確に「成果」「実績」「資格」などを求めているのであれば、当然、それを満たす必要があります。

だから、

「全国大会に出ていなくても大丈夫」

「資格がなくても問題ない」

「活動の成果は関係ない」

といった一般論だけを信じるのは危険です。

大切なのは、一般的な総合型選抜のイメージではなく、自分が受験する選抜の条件を確認することです。

「自分の志」と「大学が求めるもの」の両方を見る

ここまで説明すると、

「では結局、大学が評価する活動を調べて、それに合わせて活動すればいいのでは?」

と思う人もいるかもしれません。

しかし、それも少し違います。

たとえば、ある大学が地域活動を評価しているからといって、それまで地域問題にまったく関心がなかった高校生が、

「受験で有利だから地域活動を始めよう」

と考える。

これは、ここまで説明してきた活動実績の考え方とは逆です。

一方で、

「自分の志から生まれた活動なら、大学が何を求めているかは関係ない」

という考え方も危険です。

大学入試である以上、大学側には大学側の選抜基準があるからです。

したがって、活動実績を考えるときには、

① 自分は何に興味・関心を持ち、何を問題だと考えているのか

② 将来、何をしたいのか

③ そのために高校時代に何をしてきたのか

という「自分側」の視点と、

④ 志望大学・学部はどのような学生を求めているのか

⑤ どのような活動・経験・資格・成果を評価しているのか

⑥ 出願資格や提出書類として何を要求しているのか

という「大学側」の視点。

この両方を照らし合わせる必要があります。

総合型選抜・学校推薦型選抜は、単に自分をアピールする入試ではありません。

「自分が大学で学びたいこと」と「大学が学んでほしい学生像」が合っているかを確かめる、マッチングの入試でもあります。

だからこそ、

「どんな活動実績を作れば合格できますか?」

ではなく、

「自分は将来何をしたいのか。そのために何をしてきたのか。そして、その自分を本当に求めている大学はどこなのか」

というところまで考えてみてください。

募集要項は毎年、必ず最新のものを確認する

最後に、非常に実務的ですが重要なことがあります。

募集要項・出願資格・提出書類などは、必ず自分が受験する年度の最新情報を確認してください。

前年度と同じとは限りません。

選抜方式そのものが変更されることもあれば、出願資格、必要な外国語資格、提出書類、評価方法などが変更される可能性もあります。

高校の先輩から聞いた情報や、数年前のインターネットの記事だけで判断するのは避けましょう。

志望大学が決まったら、

募集要項

出願資格

提出書類

選考方法

アドミッション・ポリシー

を確認する。

そして、

「この大学・学部・選抜方式では、自分のどのような経験・活動・成果を、どのような形で示す必要があるのか」

まで整理しておく。

ここまで確認して初めて、総合型選抜に向けた活動実績の準備を具体的に考えることができます。

活動実績は、受験のためだけに「作る」ものではありません。

しかし同時に、

「自分がやりたい活動だけをしていれば、どの大学でも評価してもらえる」ものでもありません。

自分の「志」から生まれた行動と、志望大学が求めている学生像・活動・成果を照らし合わせること。

それが、総合型選抜・学校推薦型選抜における活動実績を考えるうえで欠かせない視点です。

 

活動実績はいつから準備すればいい?

総合型選抜・学校推薦型選抜を考えている高校生から、

「活動実績はいつから準備すればいいですか?」

「高校2年生からでも間に合いますか?」

「高校3年生になってしまったのですが、今から活動実績を作ることはできますか?」

といった質問を受けることがあります。

結論から言えば、活動実績については、できるだけ高校1・2年生のうちから意識しておくことをおすすめします。

なぜなら、ここまで説明してきたように、活動実績とは、受験直前に短期間で「作る」ものではないからです。

自分の興味・関心について調べる。

疑問を持つ。

本を読む。

人に会う。

現場へ行く。

実際に何かをやってみる。

そこで新しい問題に気づく。

さらに調べる。

次の行動へ進む。

こうした経験を繰り返すには、どうしても時間が必要です。

だからこそ、総合型選抜・学校推薦型選抜を選択肢の一つとして考えているのであれば、高校3年生になってから慌てて準備するのではなく、高校1・2年生のうちから少しずつ自分の興味や将来について考え、行動しておくことが大切です。

高校3年生からでは遅い場合がある

高校3年生になってから、

「総合型選抜を受けたい」

と考える人も少なくありません。

もちろん、高校3年生から準備を始めたからといって、必ず間に合わないわけではありません。

志望大学・学部、選抜方式、出願時期、これまでの経験、そして本人の問題意識や志によっては、高校3年生の春からでも必要な活動を考え、実際に行動へ移すことができる場合があります。

しかし、

「高校3年生から始めても必ず大丈夫」

とも言えません。

活動には、自分の都合だけでは進められないものがあるからです。

たとえば、

専門家にインタビューしたいと思っても、すぐに話を聞けるとは限りません。

フィールドワークやイベントへの参加には、開催時期があります。

資格・検定は、試験日や結果発表の日程が決まっています。

大会やコンクール、研究発表なども、応募時期が限られています。

一定期間の継続的な活動や具体的な成果を求める大学であれば、短期間では条件を満たせない場合もあります。

さらに、高校3年生になれば、

志望理由書・自己推薦書。

小論文。

面接。

学校の定期試験。

英検などの外国語資格。

一般選抜に向けた勉強。

など、活動実績以外にも準備しなければならないことが増えてきます。

その状態で、

「活動実績もゼロから作らなければならない」

となれば、時間的な負担はかなり大きくなります。

だからこそ、活動実績については、できるだけ早くから考えておくことをおすすめします。

総合型選抜・学校推薦型選抜では、活動実績だけでなく、評定・外国語資格、志望理由書、小論文、面接などを含めて計画的に準備することが重要です。総合型選抜対策の全体像については、「総合型選抜・学校推薦型選抜対策」のページで詳しく紹介しています。

 

高校1・2年生から始めるメリット

高校1・2年生から活動を始める最大のメリットは、単に「活動期間を長くできること」ではありません。

もっと重要なのは、

考え、行動し、失敗し、考え直す時間があること

です。

たとえば高校1年生のときに、

「環境問題に興味がある」

と思ったとします。

そこで本を読んでみる。

しかし調べていくうちに、環境問題全般ではなく、食品ロスに興味を持つようになる。

さらに食品ロスについて調べてみる。

地域のスーパーに話を聞いてみる。

すると、食品を廃棄する側だけではなく、消費者の購買行動にも問題があるのではないかと気づく。

そこでアンケートを行ってみる。

その結果から、また新しい疑問が生まれる。

こうした経験を重ねていけば、

高校1年生のときには、

「なんとなく環境問題に興味がある」

という状態だったものが、高校2年生、高校3年生になるにつれて、

「自分はこの問題について考えたい」

という具体的な問題意識へ変わっていく可能性があります。

つまり、早く始めることの本当のメリットは、

「実績をたくさん作れること」ではなく、自分の興味・問題意識・志を育てる時間を持てること

なのです。

総合型選抜では、最初から完成された「志」を持っている必要はありません。

興味を持つ。

調べる。

行動する。

経験する。

考える。

また行動する。

その繰り返しの中で、自分が本当に取り組みたいことを見つけていけばよいのです。

高1・高2でやっておきたいこと

では、高校1・2年生の段階では、具体的に何をしておけばよいのでしょうか。

いきなり、

「総合型選抜のための活動実績を作ろう」

と考える必要はありません。

まずは、自分の世界を広げてください。

本を読む。

新聞やニュースを見る。

映画を見る。

博物館や美術館へ行く。

大学の公開講座やイベントなどに参加する。

学校の探究活動に真剣に取り組む。

興味のある場所へ実際に行ってみる。

自分とは違う世代や立場の人と話してみる。

気になる仕事をしている大人に話を聞いてみる。

自分の興味に関係する社会問題について調べてみる。

こうした経験の中から、

「これは面白い」

「もっと知りたい」

「なぜこうなっているのだろう」

というものを見つけてください。

そして、何か一つ気になるものが見つかったら、そこで終わらずにもう一歩進んでみる。

本を一冊読んだら、別の本も読む。

学校の探究で疑問が生まれたら、授業が終わっても調べ続ける。

ニュースで気になった問題があれば、統計資料を探してみる。

現場について知りたくなったら、実際に行ってみる。

人に話を聞いてみる。

そして、

「自分にも何かできることはないか」

と考えてみる。

その小さな行動を繰り返していくことが、結果として活動実績の積み上げにつながります。

高校1・2年生の段階では、志望理由書に書くための「完成された活動」を作る必要はありません。

むしろ、いろいろなものに触れ、自分が本当に関心を持てるものを探すことの方が重要です。

高校3年生で活動実績がない場合に考えること

では、高校3年生になってから、

「自分には活動実績がない」

と気づいた場合はどうすればよいのでしょうか。

まず、必要以上に焦って、

「今から参加できるボランティア」

「短期間で取れる資格」

「総合型選抜で評価される活動」

を手当たり次第に探すことはおすすめしません。

最初にするべきなのは、志望大学の入試を確認することです。

募集要項を見る。

出願資格を見る。

出願時期を見る。

提出書類を見る。

活動実績について何を求めているのか確認する。

資格・検定や一定の活動成果が必要なのか確認する。

まず、

「残された期間で、そもそも出願条件を満たせるのか」

を確認します。

そのうえで、自分自身について考えます。

これまでの高校生活で何をしてきたのか。

部活動しかしていないと思っていたけれど、本当にそれ以外の経験はないのか。

学校の探究活動では何を扱ったのか。

これまで読んだ本や興味を持ったニュースはないか。

自分自身や家族、友人との経験から気になっている問題はないか。

そして、

「自分は大学で何を学びたいのか」

「将来、何をしたいのか」

を考えます。

そこから、

「そのために、高校生である今の自分に何ができるのか」

を考えてください。

本を読む。

資料を調べる。

専門家に話を聞く。

現場へ行く。

調査する。

自分なりの行動を始める。

高校3年生からでも、できることはあります。

ただし、残された時間によってできる活動は変わります。

だからこそ、

「とりあえず何か実績を作る」

のではなく、

志望大学の条件・出願までの時間・自分の問題意識を踏まえて、今から何をするべきなのかを判断すること

が重要です。

「いつから?」への答えは、早ければ早いほどよい。ただし焦って実績を作らない

活動実績について、

「高校何年生から始めれば間に合いますか?」

という問いに、すべての受験生に共通する明確な期限があるわけではありません。

志望大学も違います。

求められる活動も違います。

それまでの経験も違います。

将来の志や問題意識も違います。

そのため、

「高校2年生の○月までなら間に合う」

といった一律の線引きをすることはできません。

ただし、はっきり言えることがあります。

高校1・2年生であれば、今から始めてください。

総合型選抜を受験するかどうかが、まだ決まっていなくても構いません。

自分の将来について考える。

興味のあることを調べる。

本を読む。

人に会う。

学校の外へ出る。

実際に行動してみる。

こうした経験は、総合型選抜を受験しなかったとしても無駄にはなりません。

そして高校3年生であれば、

「もう遅い」と最初から諦めるのでも、「まだ大丈夫」と楽観するのでもなく、すぐに自分の状況と志望大学の条件を確認すること。

これが大切です。

活動実績は、受験直前に完成させるためのものではありません。

高校生活の中で、自分が何に興味を持ち、何を考え、何を経験し、どのように行動してきたのか。

その積み重ねが活動実績になります。

だからこそ、

「総合型選抜を受けると決めてから始める」のではなく、「自分の将来について考え始めたときから行動する」。

それが、活動実績を準備する最もよいタイミングだと潜龍舎は考えています。

 

活動実績を志望理由書・自己推薦書にどう書く?

総合型選抜・学校推薦型選抜の志望理由書や自己推薦書では、高校時代の活動実績について書くことがあります。

しかし、ここでよくあるのが、

「高校2年生のときに○○のボランティアに参加しました」

「探究活動では○○について研究しました」

「部活動では3年間○○部に所属し、副部長を務めました」

「○○コンテストに出場し、入賞しました」

といった、活動内容や実績だけを書いて終わってしまう文章です。

もちろん、「何をしたのか」を説明することは必要です。

しかし、総合型選抜・学校推薦型選抜で重要なのは、単なる「活動報告」ではありません。

その活動について、

なぜ始めたのか。

実際に何を経験したのか。

そこで何を発見し、何を考えたのか。

その経験によって、自分の問題意識がどう変化したのか。

その問題について、なぜ大学でさらに学び、研究する必要があると考えたのか。

まで説明することが重要です。

活動実績を志望理由書・自己推薦書に書くときには、活動そのものを「アピール」するのではなく、その活動を通して自分の問題意識や将来の志がどのように形成されてきたのかを伝えることを意識してください。

活動内容だけを書かない

たとえば、

私は高校2年生から地域の高齢者施設でボランティア活動を行ってきました。施設ではイベントの手伝いや高齢者との交流を行いました。

と書いたとします。

これだけでは、

「何をしたのか」

は分かります。

しかし、

「なぜ、その高校生がその活動をしたのか」

が分かりません。

高齢者福祉に以前から問題意識があったのか。

家族との経験がきっかけだったのか。

学校の探究活動で高齢者問題について調べたことがきっかけだったのか。

単に学校から紹介されたので参加したのか。

同じボランティア活動でも、その背景は一人ひとり違います。

大学側が知りたいのは、活動名だけではありません。

その活動が、あなた自身の人生や問題意識の中でどのような意味を持っているのか。

ここを説明する必要があります。

したがって、

活動実績=「何をしたか」の説明

で終わらせず、

活動実績=「なぜ行動し、その経験から何を考えるようになったのか」の説明

として考えてみてください。

「なぜ始めたか」を書く

活動について書くときには、その前にある動機や問題意識が重要です。

たとえば、高齢者の孤立について活動したのであれば、

「高齢者問題は重要だと思ったから」

だけでは、まだ十分ではありません。

なぜ自分がその問題に関心を持ったのでしょうか。

祖父母との経験があったのか。

地域で一人暮らしをする高齢者を身近に見てきたのか。

ニュースをきっかけに疑問を持ったのか。

学校の探究活動で調べたことから問題意識が生まれたのか。

自分自身の経験と問題意識との接点を掘り下げていきます。

そして、

経験

興味・関心

疑問・問題意識

だから行動した

という流れが見えるようにします。

これは非常に重要です。

「受験で評価されそうだからボランティアをした」

のではなく、

「自分にはこの問題意識があった。だから、その問題について知るため、考えるため、あるいは自分にもできることを実践するために行動した」

という順序を示すことができるからです。

活動から何を発見したかを書く

次に重要なのが、

「実際に活動して、何が分かったのか」

という部分です。

ここでは、

「貴重な経験になりました」

「コミュニケーションの大切さを学びました」

「協力することの重要性を学びました」

だけで終わらせないようにしてください。

もちろん、それらを本当に学んだのであれば間違いではありません。

しかし、それだけでは、活動によって自分の問題意識がどう深まったのかが分かりません。

たとえば、高齢者の孤立について調べていた高校生が、実際に地域の高齢者と交流した結果、

「交流の場を作れば孤立は解消できると思っていたが、外出したくても身体的な理由で参加できない人や、そもそも地域との関係を持ちたくない人もいることを知った」

とします。

これは重要な発見です。

なぜなら、

活動する前に考えていたこと

と、

実際の現場で知ったこと

の間に違いが生まれているからです。

この「違い」が、次の問いにつながります。

活動実績を書くときには、

「私は○○をしました」

だけではなく、

「実際にやってみた結果、自分がそれまで知らなかった○○という問題に気づいた」

というところまで掘り下げてみてください。

活動によって問題意識がどう変化したかを書く

よい活動は、活動する前と後で、自分の考えを変えることがあります。

最初は、

「高齢者の孤立をなくすには交流イベントを増やせばよい」

と考えていた。

しかし実際に活動すると、

「交流の機会を作るだけでは参加できない人がいる」

ことに気づいた。

そこで、

「孤立している人が地域との接点を持つためには、どのような仕組みが必要なのだろう」

という新しい問いが生まれた。

この変化が大切です。

総合型選抜のために、最初から最後まで一貫した完璧なストーリーを作る必要はありません。

むしろ、

最初はこう考えていた。

しかし、実際に行動してみた。

予想とは違う現実を知った。

だから考えが変わった。

新しい疑問が生まれた。

という変化の方が、本人が実際に考えながら活動してきたことを示せる場合があります。

活動実績を書くときの「一貫性」とは、

最初から最後まで同じ考えを持ち続けることではありません。

経験によって考えが変わったのであれば、

「なぜ変わったのか」

を説明できることが重要です。

活動後の「次の行動」まで書く

さらに重要なのは、活動を一回の経験で終わらせないことです。

たとえば、

専門家へインタビューした。

新しい問題を知った。

その問題について本や論文を読んだ。

別の立場の人にも話を聞いた。

アンケート調査を行った。

結果を分析した。

自分なりの企画を実践した。

というように、活動から次の活動へ発展している場合があります。

この流れがあるのであれば、ぜひ志望理由書・自己推薦書でも示してください。

重要なのは、活動の数を多く見せることではありません。

「なぜ次の行動をしたのか」

です。

つまり、

問題意識

行動①

発見・気づき

新しい疑問

行動②

さらに深まった問題意識

というつながりを示します。

こうすると、複数の活動が単なる「実績の羅列」ではなく、一つの問題について考え続けてきた軌跡として見えてきます。

大学での学び・研究へつなげる

そして、志望理由書で特に重要になるのが、

高校時代の活動を「大学で何を学び、研究したいのか」へつなげること

です。

ここで、

「この活動を通して高齢者福祉に興味を持ったので、大学で福祉について学びたいです」

だけで終わらせないようにします。

もっと具体的に、

高校時代の活動を通して、どのような問いが残ったのか。

を考えてください。

たとえば、

「地域交流の機会を増やすだけでは、高齢者の孤立を解決できないのではないか」

という問いが残ったとします。

しかし、高校生としてできる調査や活動には限界があります。

そこで、

「高齢者の孤立が生じる社会的要因について、社会福祉学や地域社会学の観点から研究したい」

という大学での研究テーマが見えてくる。

さらに、

「その研究を行うためには、○○大学○○学部で○○について学び、○○先生の○○という研究のもとで考える必要がある」

というところまで進めることができれば、

高校時代の活動

と、

大学での学び・研究

が一本につながります。

つまり、

経験・問題意識

高校時代の活動

活動による発見

新しい問い

高校生として取り組んだこと

それでも残った課題

大学で研究したいこと

なぜその大学・学部・教員なのか

将来の志

という流れです。

ここまでつながると、活動実績は単なる「自己PRの材料」ではなくなります。

「なぜ自分がこの大学で学ぶ必要があるのか」を説明する根拠になります。

「実績がすごい」ことをアピールする文章にしない

大会で優勝した。

コンテストで入賞した。

生徒会長を務めた。

英検準1級を取得した。

大規模なボランティア活動を行った。

こうした実績がある場合、それ自体を記載することはもちろん構いません。

また、大学・選抜方式によっては、その成果そのものが重要な評価対象になる場合もあります。

しかし、志望理由書・自己推薦書では、

「私はこんなにすごい高校生です」

という実績紹介だけで終わらせないことが重要です。

たとえばコンテストで入賞したのであれば、

なぜそのテーマに取り組んだのか。

取り組む中で何がうまくいかなかったのか。

何を調べ直したのか。

どのような発見があったのか。

受賞後もそのテーマについて考え続けているのか。

その経験が大学で研究したいこととどうつながっているのか。

まで考えます。

実績の「大きさ」と、その経験から何を考えたかは別の問題です。

成果があるなら成果も示す。

同時に、その成果に至るまでの思考と、その後に何が生まれたのかも示す。

この両方を意識してください。

活動実績を書くときの基本的な流れ

活動実績について何を書けばよいのか分からなくなったら、次の順序で整理してみてください。

① きっかけ・原体験
なぜその問題に関心を持ったのか。

② 問題意識
何を疑問・問題だと考えたのか。

③ 事前のリサーチ
行動する前に何を調べたのか。

④ 行動・活動実績
その問題について、高校生として実際に何をしたのか。

⑤ 発見・気づき
活動によって何が分かったのか。

⑥ 問題意識の変化・深化
活動前と比べて、自分の考えはどう変わったのか。

⑦ 次の行動
新しい疑問について、さらに何をしたのか。

⑧ 大学での学び・研究
高校時代の活動だけでは答えられなかった何を、大学で研究したいのか。

⑨ なぜその大学なのか
その研究をするために、なぜその大学・学部・教員でなければならないのか。

⑩ 将来の志
大学での学び・研究を、将来何につなげたいのか。

すべての志望理由書で、この10項目を機械的に同じ順番で書く必要はありません。

文字数も、大学から問われている内容も異なります。

しかし、自分の活動について考える際には、この流れで整理してみると、

「活動をしたという報告」

から、

「なぜ自分がこの大学で学ぶ必要があるのかを示す文章」

へと変えていくことができます。

活動実績は「過去の自慢」ではなく「大学で学ぶ理由」になる

活動実績という言葉から、

「高校時代にどれだけ立派なことをしてきたかを大学に見せるもの」

と考えてしまう人がいます。

しかし、志望理由書・自己推薦書における活動実績は、それだけではありません。

大学側に伝えたいのは、

「私はこんなにたくさん活動してきました」

ということではなく、

「私はこれまでの経験からこの問題に関心を持ち、高校時代にここまで考え、行動してきました。しかし、その中でさらにこの問いが生まれました。だから私は、大学でこの問題について専門的に学び、研究する必要があります」

ということです。

そう考えると、活動実績は、

過去を飾るためのもの

ではなく、

高校時代の自分と、大学で学ぶ自分をつなぐもの

になります。

そして、その先に、

「大学で学んだことを使って、将来何を実現したいのか」

という志があります。

だから、志望理由書・自己推薦書に活動実績を書くときには、

「何をしたか」だけを書かない。

「なぜしたのか」を書く。

「何を発見したのか」を書く。

「考えがどう変わったのか」を書く。

「次に何をしたのか」を書く。

そして最後に、

「だから大学で何を学び、研究する必要があるのか」

までつなげてください。

活動実績が本当に意味を持つのは、活動そのものが華やかだからではありません。

その活動が、自分自身の問題意識、大学での研究、そして将来の志へとつながっているからです。

「志望理由書・自己推薦書の詳しい書き方はこちら」

 

活動実績は面接でどう聞かれる?

総合型選抜・学校推薦型選抜の面接では、高校時代の活動実績について質問されることがあります。

たとえば、

「高校時代に最も力を入れたことは何ですか?」

「この活動を始めたきっかけは何ですか?」

「あなたはその活動の中で、どのような役割を果たしましたか?」

「活動を通して何を学びましたか?」

「活動の中で困難だったことは何ですか?」

「その経験は、大学で学びたいこととどのようにつながっていますか?」

といった質問です。

ここで重要なのは、面接官が必ずしも、

「どれだけすごい活動をした高校生なのか」

だけを確認しようとしているわけではないということです。

むしろ、

なぜその活動をしたのか。

活動の中で何を経験したのか。

そこで何を考えたのか。

問題意識がどのように変化したのか。

その経験が大学での学びや将来の志とどうつながっているのか。

といったことを掘り下げて聞かれる可能性があります。

だからこそ、活動実績について面接対策をするときには、活動内容を説明する「模範回答」を丸暗記するのではなく、自分自身の経験について、どこから質問されても自分の言葉で説明できるようにしておくことが大切です。

活動実績は、書類に記載するだけでなく、面接でその動機や経験、そこから得た気づきなどを詳しく聞かれることがあります。総合型選抜・学校推薦型選抜の面接でよく聞かれる質問や対策については、「総合型選抜・学校推薦型選抜の面接対策」で詳しく解説しています。

 

「何をしたか」より「なぜしたか」

活動実績について質問されたとき、多くの受験生はまず、

「何をしたのか」

を説明しようとします。

たとえば、

「私は高校2年生から地域の高齢者を支援するボランティア活動に参加しました」

「学校の探究活動で食品ロスについて研究しました」

「3年間サッカー部に所属し、副部長を務めました」

といった説明です。

もちろん、活動内容を簡潔に説明することは必要です。

しかし、それだけで終わると単なる活動報告になってしまいます。

面接では、そこからさらに、

「なぜその活動を始めたのですか?」

と聞かれることがあります。

ここで、

「総合型選抜で活動実績が必要だと思ったからです」

では、その活動と本人自身の問題意識とのつながりが見えません。

そうではなく、

どのような経験から関心を持ったのか。

何を問題だと考えたのか。

なぜ実際に行動してみようと思ったのか。

まで整理しておきます。

つまり、

経験・きっかけ

興味・関心

問題意識

なぜ行動したのか

実際の活動

という流れです。

活動実績について面接で聞かれたときには、活動名を説明するだけでなく、「なぜ自分がそれをしたのか」まで説明できることが重要です。

「あなた自身は何をしたのですか?」と聞かれることもある

グループで行った探究活動や、学校・団体が主催した活動について話す場合には、

「その中で、あなた自身は何をしたのですか?」

という質問にも備えておく必要があります。

たとえば、

「私たちは地域活性化のためのイベントを企画しました」

と説明したとします。

すると面接官から、

「その企画の中で、あなたは何を担当したのですか?」

「あなた自身が提案したことはありますか?」

「他のメンバーとはどのように役割分担しましたか?」

と聞かれるかもしれません。

ここでは、

「私たちが何をしたか」

と、

「その中で自分が何を考え、何をしたか」

を区別して説明することが大切です。

グループで大きな成果を上げたからといって、そのすべてを自分一人の成果であるかのように語るべきではありません。

反対に、自分がリーダーでなかったからといって、語れることがないわけでもありません。

自分はどのような役割を担ったのか。

どんな提案をしたのか。

どこで悩んだのか。

他者の意見を受けて、自分の考えをどう変えたのか。

自分自身の経験として具体的に説明できるようにしておきましょう。

活動中の失敗や課題について聞かれることもある

面接では、

「活動の中で苦労したことは何ですか?」

「うまくいかなかったことはありますか?」

「活動の問題点は何だったと思いますか?」

といった質問をされることもあります。

ここで、

「特に失敗はありませんでした。すべて順調でした」

と答えることが、必ずしもよいとは限りません。

実際に行動すれば、想定していた通りにいかないこともあります。

インタビューを依頼しても断られる。

アンケートを実施しても十分な回答が集まらない。

イベントを企画しても参加者が少ない。

自分が考えた解決策が、現場ではあまり役に立たない。

グループ内で意見が合わない。

そうした経験があったとしても、それ自体を隠す必要はありません。

むしろ重要なのは、

「その問題に直面したとき、自分はどう考え、どう対応したのか」

です。

たとえば、

「最初は○○だと考えていた」

「しかし実際に活動すると○○という問題が起きた」

「そこで原因を○○だと考えた」

「そのため○○という方法へ変更した」

「その結果、○○ということに気づいた」

という形で説明することができます。

失敗そのものよりも、失敗や予想外の出来事に対してどのように考え、次の行動につなげたのかを振り返っておくことが大切です。

「活動から何を学びましたか?」には具体的に答える

活動実績について聞かれると、

「活動から何を学びましたか?」

という質問も考えられます。

このとき、

「協調性を学びました」

「コミュニケーションの大切さを学びました」

「最後まで諦めないことの重要性を学びました」

だけで終わると、どうしても抽象的な回答になります。

それらが本当に重要な学びだったのであれば、さらに、

「どのような出来事から、そう考えたのか」

まで説明してください。

また、活動実績を大学での学びにつなげるのであれば、

活動を通して、その問題について何を新しく知ったのか

という意味での「学び」も重要です。

たとえば、高齢者の孤立について活動した結果、

「交流イベントを増やせば解決できると思っていたが、実際には外出が難しい人や地域との交流そのものを望まない人もいることを知った」

のであれば、これは本人の問題意識を深めた具体的な学びです。

そこから、

「では、地域との接点を持ちにくい高齢者に対して、どのような支援が可能なのか」

という新しい問いも生まれます。

面接では、このように、

活動 → 発見 → 新しい問い

まで説明できると、自分が活動を通して実際に考えてきたことが伝わりやすくなります。

「その後、何をしましたか?」にも備える

さらに活動について深く聞かれると、

「その問題に気づいた後、あなたは何をしましたか?」

と聞かれることも考えられます。

ここは、活動実績の「積み上げ」が表れるところです。

たとえば、

食品ロスについて調べた。

地域の店舗にインタビューした。

消費者側の行動にも原因があると考えた。

高校生を対象にアンケート調査をした。

結果から新たな疑問が生まれた。

さらに関連する研究や統計資料を調べた。

という活動をしていたのであれば、それぞれを独立した実績として暗記するのではなく、

「なぜ次の行動へ進んだのか」

を説明できるようにしておきます。

面接官から、

「なぜアンケートをしようと思ったのですか?」

「なぜその人にインタビューしたのですか?」

「インタビュー後に何をしましたか?」

と質問されても、

自分の問題意識がどのように発展し、それに応じて行動も変わっていったのか

を説明できれば、一つひとつの活動がつながります。

活動経験と大学での学びをつなげて説明する

そして、活動実績についての質問は、高校時代の話だけで終わるとは限りません。

最終的には、

「その経験と、本学で学びたいことにはどのような関係がありますか?」

「その問題について、大学では何を研究したいのですか?」

「なぜ、それを本学で学ぶ必要があるのですか?」

といった質問につながる可能性があります。

ここが総合型選抜の面接では非常に重要です。

たとえば、

「子どもの貧困に関するボランティア活動をしました」

だけではなく、

活動を通してどのような問題に気づいたのか。

高校生としてどこまで調べ、行動したのか。

それでも何が分からなかったのか。

その問いについて大学ではどのような学問から研究したいのか。

なぜその大学・学部なのか。

さらに、その研究を将来どのように生かしたいのか。

までつなげて考えます。

つまり、

自分自身の経験

問題意識

高校時代の活動実績

活動から得た発見

さらに深まった問い

大学で学び・研究したいこと

なぜこの大学なのか

将来の志

という一本の流れです。

活動実績は、単独で存在する面接項目ではありません。

志望理由、大学で研究したいこと、将来の志など、ほかの質問とつながっていると考えておいた方がよいでしょう。

志望理由書・自己推薦書に書いた活動は必ず説明できるようにする

面接前には、自分が提出した志望理由書・自己推薦書・活動報告書などを改めて読み直してください。

特に、

「自分で書いて提出した内容について、どこを質問されても説明できるか」

を確認します。

活動について、

なぜ始めたのか。

具体的に何をしたのか。

いつ、どのくらいの期間行ったのか。

自分の役割は何だったのか。

何がうまくいかなかったのか。

何を発見したのか。

考えがどう変わったのか。

その後、何をしたのか。

大学での研究とどうつながるのか。

こうした問いについて、自分の言葉で話せるか確認しておきましょう。

ただし、回答文を一字一句作って暗記する必要はありません。

むしろ丸暗記してしまうと、想定していなかった角度から質問されたときに対応できなくなることがあります。

覚えるべきなのは「完成された回答文」ではなく、

自分が実際に経験したことと、その経験について自分が考えていること

です。

面接では「活動実績の大きさ」だけではなく「本人の思考」が表れる

全国大会に出場した。

大きなコンテストで受賞した。

生徒会長を務めた。

海外で活動した。

こうした実績がある受験生もいるでしょう。

一方で、

地域の人にインタビューした。

自分でアンケートを行った。

興味のある問題について継続的に調査した。

小さな企画を実践した。

という高校生もいます。

大学・選抜方式によって活動実績そのものの評価基準は異なるため、実績の大きさや成果が重要になる場合もあります。

しかし面接では、それに加えて、

「なぜその活動をしたのか」

「活動を通して何を考えたのか」

「その経験から次に何をしたのか」

「大学で何を研究したいのか」

と掘り下げられる可能性があります。

だからこそ、

「すごい実績を言えばよい」

のでも、

「面接用のきれいな回答を暗記すればよい」

のでもありません。

自分の活動について、

何をしたか

なぜしたか

何を経験したか

何を考えたか

何が変わったか

次に何をしたか

大学で何を研究したいのか

まで、自分自身の言葉で語れるようにしておくことが重要です。

総合型選抜・学校推薦型選抜の面接は、活動実績を「発表する場所」というよりも、その活動について大学教員とさらに掘り下げて話す「対話の場」だと考えて準備してみてください。

総合型選抜・学校推薦型選抜の面接対策はこちら。

 

潜龍舎の活動実績づくり

ここまで説明してきたように、総合型選抜・学校推薦型選抜における活動実績は、

「受験で評価されそうな活動を探して、実績を作ればよい」

というものではありません。

自分自身の経験や興味・関心から問題意識を見つける。

その問題について調べる。

高校生である今の自分に何ができるのかを考える。

実際に行動する。

その経験から新しい問題に気づく。

さらに調べ、考え、次の行動へ進む。

その積み重ねの中で、将来の「志」や大学で研究したいテーマも少しずつ明確になっていきます。

だから潜龍舎では、

「総合型選抜で有利になる活動実績を作りましょう」

という指導はしていません。

一人ひとりの生徒と話しながら、

「あなたは何に興味があるのか」

「なぜ、それが気になるのか」

「将来、何をしたいのか」

「そのために、高校生である今のあなたには何ができるのか」

というところから、一緒に考えていきます。

「受験で有利な活動」を押し付けません

「総合型選抜を受験するなら、ボランティアをした方がいい」

「生徒会に入った方がいい」

「海外研修に行った方がいい」

「探究コンテストに出た方がいい」

このように、特定の活動をすれば総合型選抜で有利になるかのように考えてしまうことがあります。

しかし、潜龍舎では、

「この活動をすれば受験で有利になるから、やりましょう」

という形で活動を決めることは基本的にしません。

なぜなら、同じ活動でも、その意味は生徒によってまったく違うからです。

高齢者施設でのボランティアが、その生徒の問題意識や将来の志につながる場合もあります。

一方で、別の生徒にとっては、ボランティアではなく、専門家へのインタビューやフィールドワークの方が必要かもしれません。

本や論文を読み込むことが重要な場合もあります。

アンケート調査をする場合もあります。

実際の裁判を傍聴した方がよい場合もあります。

自分で小さな企画を実践してみることが必要な場合もあります。

重要なのは、

「何をすれば大学に評価されるのか」

から考えるのではなく、

「自分が考えている問題について、今の自分には何ができるのか」

から考えることです。

そのため、潜龍舎では全員に同じ「活動実績メニュー」を与えることはありません。

一人ひとりの興味・問題意識から「志」を掘り下げます

活動を考える前に、潜龍舎ではまず、生徒本人について徹底的に考えていきます。

将来、何をしたいのか。

なぜ、それをしたいのか。

これまでどのような経験をしてきたのか。

何に興味を持っているのか。

学校で好きな科目は何か。

どんな本を読んできたのか。

ニュースを見ていて気になる問題は何か。

学校の探究活動では何について考えてきたのか。

部活動や学校生活の中で、何を経験したのか。

こうしたことについて対話を重ねます。

最初から、

「私の志はこれです」

と明確に言える高校生ばかりではありません。

むしろ、

「将来やりたいことがよく分からない」

「なんとなくこの分野に興味がある」

「この学部へ行きたいけれど、大学で何を研究したいのかまでは分からない」

という状態から始まる生徒もいます。

そこで、

「なぜ?」

を繰り返します。

なぜ、その学部に興味があるのか。

なぜ、その仕事をしたいのか。

なぜ、その社会問題が気になるのか。

なぜ、それを自分がやりたいのか。

こうして本人の経験や価値観まで掘り下げていくことで、少しずつ、

「自分は何を問題だと考えているのか」

「将来、自分は何をしたいのか」

が見えてきます。

活動実績を考えるのは、その後です。

志から「高校生の今できる行動」を一緒に考えます

問題意識や将来の方向性が見えてきたら、次に考えるのが、

「では、その問題について、高校生である今の自分に何ができるのか」

ということです。

たとえば、将来、労働問題に取り組む法律家になりたいのであれば、

まず労働問題について本や資料を調べる。

実際にどのような事件が起きているのか調査する。

裁判を傍聴する。

法律家にインタビューする。

といった行動が考えられます。

高齢者福祉に関心があるのであれば、

統計や行政資料を調べる。

地域の高齢者に話を聞く。

実際の福祉の現場について調べる。

高校生と高齢者が交流できる企画を考える。

といった方法があるかもしれません。

養護教諭を目指しているのであれば、

学校保健について調べる。

養護教諭にインタビューする。

救急・看護・介護などについて学ぶ。

児童・生徒を対象とした調査を考える。

という行動につながることもあります。

ここで大切なのは、

最初から大規模なプロジェクトを作ろうとしないことです。

高校生一人で社会問題そのものを解決することはできません。

だから、

「大きな社会問題の手前にある、高校生の自分にも取り組める小さな問題は何か」

を考えます。

調べる。

会いに行く。

話を聞く。

観察する。

アンケートをする。

小さく実践する。

そして、その経験についてまた考える。

潜龍舎では、こうした一歩一歩を生徒と一緒に考えていきます。

活動して終わりではなく、「振り返り」を重視します

潜龍舎の活動実績づくりで重要なのは、

「活動したら終わり」にしないこと

です。

たとえば、専門家へのインタビューを行ったとします。

そのとき、

「インタビューができました。これで活動実績が一つ増えました」

とは考えません。

むしろ、そこからが重要です。

何を聞いたのか。

自分が事前に考えていたことと何が違ったのか。

何を新しく知ったのか。

理解できなかったことは何か。

新しくどんな疑問が生まれたのか。

その疑問について次に何を調べるべきなのか。

こうしたことを一緒に考えます。

すると、

調べる

行動する

経験する

振り返る

新しい問題に気づく

さらに調べる

次の行動へ進む

という循環が生まれます。

この循環を繰り返すことで、活動は単発の「実績」ではなく、一つの問題について継続して考え、行動してきた軌跡になっていきます。

そして同時に、生徒自身の「志」も少しずつ深まっていきます。

志望大学・学部・教員まで調べて活動を考えます

ただし、潜龍舎では、

「本人がやりたい活動なら何でもよい」

とも考えていません。

総合型選抜・学校推薦型選抜は大学入試だからです。

本人の志と同時に、

志望大学が何を求めているのか

も確認する必要があります。

そのため、志望大学が決まっている場合には、

募集要項。

出願資格。

提出書類。

選考方法。

アドミッション・ポリシー。

学部・学科のカリキュラム。

研究室。

そして、そこで研究している大学教員・研究者。

といったところまで調べていきます。

たとえば、生徒が「子どもの貧困について研究したい」と考えていても、

大学によって、福祉学から研究するのか、教育学から研究するのか、社会学や経済学から研究するのかは異なります。

さらに、同じ学部名であっても、所属する教員の専門分野は大学によって違います。

だから、

「自分は何を問題だと考えているのか」

と、

「その問題について、この大学では何を研究できるのか」

を照らし合わせます。

そして必要であれば、

「大学でこの研究をするために、高校生の今、もう少し何を調べ、何を経験しておくべきなのか」

まで考えます。

つまり活動実績づくりと大学選びを、別々のものとして考えません。

志→活動→研究テーマ→大学・学部・教員

を一つにつなげて考えていきます。

活動実績だけを「作る」指導ではありません

ここが、潜龍舎の活動実績に対する考え方で最も重要なところです。

潜龍舎が目指しているのは、

「総合型選抜で使える活動実績を3つ作る」

といった指導ではありません。

活動実績だけを切り離して作っても、

志望理由書では、

「なぜその活動をしたのか」

が説明できません。

面接では、

「その活動から何を考えたのか」

を深く聞かれたときに答えられません。

大学で何を研究したいのかともつながりません。

だから、

活動実績だけを作るのではなく、その前後をすべてつなげていく。

これが重要です。

たとえば、

これまでの経験

興味・関心

問題意識

将来の志

リサーチ

高校生としての行動・活動実績

活動から得た経験・発見

さらに深まった問題意識

大学で研究したいテーマ

なぜその大学・学部・教員なのか

大学での学び・実践

将来の志の実現

という一連の流れを作っていきます。

もちろん、最初からこの流れがきれいに完成している高校生はいません。

活動した結果、志が変わることもあります。

調べてみたら、自分が最初に考えていた問題とは違う問題に関心を持つこともあります。

志望学部そのものを考え直すこともあるでしょう。

それで構いません。

潜龍舎では、最初から「合格するストーリー」を作り、それに本人を当てはめるのではなく、本人が実際に調べ、行動し、考える中で生まれた変化も含めて、一緒に整理していきます。

活動→研究テーマ→志望理由書→面接まで一貫して指導します

活動実績は、それだけで入試が完結するものではありません。

実際の総合型選抜・学校推薦型選抜では、その経験を、

志望理由書・自己推薦書

で文章として説明する必要があります。

さらに、

面接

では、自分の言葉で説明しなければなりません。

そして、その先には、

「大学で何を学び、研究したいのか」

という問いがあります。

だから潜龍舎では、

活動実績

志望理由書・自己推薦書

大学・学部・教員研究

研究テーマ

面接

を、それぞれ別々の受験対策として考えません。

すべては、

「自分は将来何をしたいのか」

という志につながっています。

活動を通して問題意識を深める。

その問題について大学で何を研究する必要があるのかを考える。

その研究ができる大学・学部・教員を調べる。

それを志望理由書として言語化する。

そして面接では、大学教員とその問題について自分の言葉で対話する。

この一連の流れを、一人ひとりに合わせて個別に考えていくことが、潜龍舎の活動実績づくりです。

「あなたは将来何をしたいのか」から始める

活動実績について相談するとき、

「何をすれば総合型選抜で有利になりますか?」

という問いから始めたくなるかもしれません。

しかし、潜龍舎が最初に一緒に考えたいのは、そこではありません。

あなたは何に興味があるのか。

何を問題だと感じているのか。

なぜ、それを問題だと思うのか。

将来、その問題に対して何をしたいのか。

そして、

そのために、高校生である今のあなたに何ができるのか。

そこから活動を考えます。

活動して、考える。

また行動する。

そして、さらに志を深める。

その過程で積み上がっていったものが、結果として総合型選抜・学校推薦型選抜における「活動実績」になります。

受験のために活動実績を作るのではない。

自分の将来のために、今できることを一つずつ実行していく。

潜龍舎では、その一歩一歩を、生徒本人と一緒に考えていきます。

 

総合型選抜の活動実績についてよくある質問

総合型選抜・学校推薦型選抜の活動実績について、高校生や保護者の方からよく聞かれる質問をまとめました。

活動実績がなくても総合型選抜を受けられますか?

大学・学部・選抜方式によります。

総合型選抜だからといって、すべての大学で全国大会入賞や生徒会長、海外留学といった「輝かしい実績」が必要なわけではありません。

一方で、特定の活動経験や資格、一定以上の成果などを出願資格・評価対象としている選抜もあります。その場合は、大学が定めた条件を満たす必要があります。

また、「特別な受賞歴がない」ことと「何も行動してこなかった」ことは別です。

大切なのは、自分の興味・関心や問題意識に基づいて、

何を調べたのか。

何を経験したのか。

実際に何をしたのか。

そこから何を考えたのか。

ということです。

まずは志望大学の募集要項・出願資格・提出書類などを確認したうえで、自分がこれまでしてきたことを整理してみましょう。

もし本当に活動実績がほとんどないのであれば、「受験で使えそうな活動」を慌てて探すのではなく、自分は何に興味があり、何を問題だと考え、将来何をしたいのかというところから考えることをおすすめします。

ボランティアは何時間くらい必要ですか?

「○時間以上ボランティアをすれば総合型選抜で有利になる」という共通の基準はありません。

大学側が活動時間などについて具体的な条件を定めている場合は別ですが、そうでなければ、

「何時間やったか」だけで活動の価値が決まるわけではありません。

重要なのは、

なぜそのボランティアをしたのか。

活動前にどのような問題意識を持っていたのか。

実際に活動して何を知ったのか。

自分の考えがどう変わったのか。

その後、さらに何をしたのか。

ということです。

100時間活動していても、「受験に有利だと思ったから参加しました」で終わってしまう場合と、自分自身の問題意識から現場へ行き、そこで新しい問題を発見して次の行動につなげた場合とでは、その経験の意味は異なります。

したがって、「何時間やればよいか」よりも「なぜ自分がその活動をするのか」をまず考えてください。

部活動で大会実績がなくても大丈夫ですか?

大会実績がないからといって、すべての総合型選抜で不利になるとは限りません。

ただし、スポーツなどの実績そのものを出願条件や重要な評価対象としている選抜であれば、大会成績が重要になります。

一般的な総合型選抜・学校推薦型選抜で部活動について伝える場合には、

「3年間続けました」

だけではなく、

どのような目標を持っていたのか。

どんな問題に直面したのか。

そのとき自分は何を考えたのか。

自分自身はどのように行動したのか。

その経験から何を得たのか。

まで整理してみてください。

また、潜龍舎では、部活動に一生懸命取り組むこと自体は素晴らしいことだと考えていますが、高校生活が部活動だけで終わってしまうのはもったいないとも考えています。

高校1・2年生であれば、部活動以外にも、本を読む、社会について調べる、人に会う、学校外へ出るなど、自分の世界を広げてみてください。

生徒会に入った方が総合型選抜では有利ですか?

「生徒会に入れば総合型選抜で有利になる」と一律に言うことはできません。

生徒会長、副会長、委員長などの肩書そのものを得ることを目的にする必要もありません。

生徒会活動について大学へ伝えるのであれば、

どんな課題を見つけ、自分が何を考え、どのような役割を果たし、何を実現しようとしたのか

が重要です。

もちろん、大学・選抜方式によってはリーダーシップや学校内外での顕著な活動を評価する場合があります。その場合は、募集要項などで評価基準を確認してください。

「生徒会に入った方が有利だから入る」のではなく、自分が学校の中で取り組みたい問題があり、そのために生徒会という場所が必要なのかという順序で考えるのがよいでしょう。

英検や資格も活動実績になりますか?

英検などの外国語資格や各種資格・検定も、総合型選抜・学校推薦型選抜では重要な材料になることがあります。

特に、大学によっては一定の外国語資格・スコアが出願条件になっていたり、評価に利用されたりする場合があります。

そのため、志望大学の条件は早めに確認してください。

ただし、

「英検○級を持っているから合格できる」

という単純なものではありません。

志望理由書・自己推薦書などで資格について触れるのであれば、

なぜその資格が必要だと考えたのか。

取得のために何をしたのか。

その力を大学でどのように生かしたいのか。

自分の将来の志とどうつながっているのか。

まで考えられるとよいでしょう。

資格は持っているだけで自動的に合格を保証するものではありませんが、志望大学によっては出願そのものに関わる重要な条件にもなり得るため、活動実績とは少し分けて早めに準備しておく必要があります。

学校の探究活動は活動実績になりますか?

活動実績として説明できる場合があります。

ただし、

「学校の探究の授業で○○について調べて発表しました」

だけでは、それだけで特別な活動として差別化することは難しい場合があります。

学校の探究活動は、自分自身の問題意識を深める「きっかけ」として考えてみてください。

たとえば授業で食品ロスについて調べたのであれば、

授業後も関連する本や資料を読む。

統計を調べる。

地域の店舗に話を聞く。

アンケートを行う。

実際に自分なりの取り組みを考えてみる。

といった形で、学校の授業から自分自身の探究へ発展させることができます。

重要なのは、

「学校から与えられた課題をこなしたか」ではなく、「そこから自分自身の問いが生まれ、その問いについてどこまで考え、行動したか」

です。

高校3年生から活動実績を作るのは遅いですか?

高校3年生からでは必ず間に合わない、というわけではありません。

本人のこれまでの経験や問題意識、志望大学、選抜方式、出願時期などによっては、高校3年生からでも必要な調査や活動を行える場合があります。

しかし、高校3年生からでも必ず間に合うとも言えません。

大学が一定期間の活動や具体的な成果を求めている場合もあります。

資格試験、大会、コンテスト、イベントなどには実施時期があります。

さらに高校3年生では、志望理由書、小論文、面接、学校の勉強、一般選抜への準備なども重なります。

そのため、高校1・2年生であれば、今から少しずつ始めることをおすすめします。

高校3年生ですでに活動実績がない場合には、焦って活動を増やすのではなく、

① 志望大学の条件を確認する

② これまでの経験を整理する

③ 自分の問題意識・将来の志を考える

④ 残された時間でできる行動を考える

という順序で検討してください。

活動実績は多いほど有利ですか?

必ずしもそうではありません。

ボランティア。

探究活動。

生徒会。

部活動。

海外研修。

資格。

コンテスト。

これらをたくさん並べれば、それだけで評価が高くなるとは限りません。

むしろ、

「なぜこれほどバラバラな活動をしているのだろう?」

となってしまうこともあります。

大切なのは数ではなく、それぞれの経験が自分の中でどのようにつながっているのかです。

たとえば、

興味・関心

問題意識

調査

行動

発見

新しい疑問

次の行動

大学で研究したいこと

という流れがあれば、複数の活動も一つの問題について考えてきた軌跡として説明できます。

ただし、「一貫性を作るため」に無関係な経験まで無理やり結びつける必要はありません。

活動の数を増やすことより、一つひとつの経験について自分が何を考えたのかを深めることを大切にしてください。

活動実績を証明する資料は必要ですか?

これは大学・学部・選抜方式によって異なります。

活動報告書への記載だけでよい場合もあれば、活動や成果について証明する資料の提出を求められる場合もあります。

たとえば、

資格・検定の証明書。

大会やコンクールの賞状・証明書。

活動団体などが発行する証明書。

研究・探究活動の成果物。

などが考えられますが、何を、どのような形式で提出できるかは大学の指示に従う必要があります。

「この資料を出せばよいだろう」と自己判断せず、必ず自分が受験する年度の募集要項・提出書類の指示を確認してください。

また、高校1・2年生のうちから活動している場合には、

いつ、どこで、何をしたのか

を自分でも記録しておくことをおすすめします。

活動日、活動内容、参加した理由、そのとき考えたこと、活動後に気づいたこと、次に調べたことなどを記録しておけば、後から志望理由書・自己推薦書を書くときにも役立ちます。

活動実績が志望学部と直接関係していなくても大丈夫ですか?

必ずしも、すべての活動が志望学部と直接結びついている必要はありません。

高校生活のすべてを大学入試のために過ごすわけではないからです。

部活動を楽しんだ。

文化祭に取り組んだ。

趣味に熱中した。

友人と何かを企画した。

そうした経験があっても当然です。

大切なのは、無関係な活動を無理やり志望理由へ結びつけないことです。

一方で、一見関係がなさそうな経験から、自分の問題意識が生まれている場合もあります。

たとえばスポーツ活動中のけがをきっかけに、スポーツ医療や心理的支援へ関心を持つ。

文化部での経験から、文化政策や教育、メディア、芸術について疑問を持つ。

そのように実際の経験から関心が発展したのであれば、そのつながりを説明することができます。

重要なのは、「受験に使えるように話を作る」のではなく、自分の中に本当に存在するつながりを見つけることです。

活動実績は「作った方がいい」ですか?

潜龍舎では、活動実績を単に「受験のために作るもの」とは考えていません。

「総合型選抜を受けるから、何か活動を一つ作らなければ」

と考えると、

受験

評価されそうな活動を探す

活動実績を作る

という順番になってしまいます。

そうではなく、

自分は何に興味があるのか

何を問題だと考えているのか

将来何をしたいのか

そのために高校生である今、何ができるのか

実際に行動する

その積み重ねが活動実績になる

という順番で考えてほしいと思います。

だから、「活動実績を作る」というより、

「自分の興味や問題意識に基づいて行動した結果、活動実績が積み上がっていく」

と考えた方が、潜龍舎の考える活動実績に近いでしょう。

総合型選抜・学校推薦型選抜で本当に重要なのは、

「何をすれば評価されますか?」

という問いではありません。

「自分は何を問題だと考え、将来何をしたいのか。そして、そのために高校生である今、何をしているのか」

という問いです。

活動実績について考えることは、単に大学入試でアピールできる材料を増やすことではありません。

自分の将来について考え、そのための一歩を高校時代から実際に踏み出すこと。

そこから活動実績は始まります。

 

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